[バスケ]“ワクワクがとまらない“女子日本代表はどんな進化を見せるのか(月刊バレーボール&月刊バスケットボール)

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出典元:月刊バレーボール&月刊バスケットボール

人は夢を心に抱いて、効果的な方法を理解して、「私ならできる」と思えたときに、ワクワクして力を発揮できる。目標は優勝。チーム活動の目的として、夢を与えられる存在になろうという理想を掲げていました。私たちの頑張りが、誰かの喜びやエネルギーになると信じることができたのが、大きかったと思っています――FIBA女子アジアカップ2021で新生日本代表が頂点に立てた理由を、恩塚 亨HCはこう説明した。大会前、前任のトム・ホーバス氏(現男子日本代表HC)から大役を引き継いだ際の発表会見でもこの考え方を聞かせてくれていたが、それが大きな結果につながることをみごとに証明した。

[写真]女子日本代表FIBA女子アジアカップ2021

 今大会における日本代表の戦いぶりは、恩塚HCの言葉どおり、個々のプレーヤーが自分とチームメイト、スタッフを信じ、チームメイトとスタッフが自分を信じてくれているとわかっているだろうことが、一つ一つのポゼッション、1試合1試合から伝わってくるような内容だった。

 オコエ桃二花(富士通レッドウェーブ)は中国代表との決勝戦で3Pショットが14本中3本の成功と確率としては低かった。しかし決勝戦翌日のメディア対応では、「入らなくても打ち続けたことが自分のベストプレー」と誇らしげに話していた。こうした気持ちになれるのは、周囲が自分のプレーに自信を持ってくれていると信じられるからに他ならないだろう。

 最高の形で今大会を終えた日本代表は、恩塚HC就任時点から明確に、3年後のパリオリンピックで金メダルを獲得することを目標として掲げている。「世界一のアジリティーで高さを凌駕する」という大胆なプレースタイルも示された。3年後、日本代表はどんな姿を見せてくれているだろうか。

ーー 驚異の3Pショット成功率

 オコエと同じメディア対応の機会に、恩塚HCが語ったアジアのライバルチームに関する考察に、そのヒントを求めてみたい。それは次のような内容だった。

「大会を通じて、3Pショットの精度と試投数が増えてきたと思います。日本がオリンピックで示した戦い方を参考にしているかどうかはわからないですが、今までは割とシンプルにインサイドの攻防がカギになるゲームが多かったのが、アウトサイドのショット。しかも確率も高いですし、ショットのスピードも速い。外も中も、これからは戦うポイントが広がっていく。そこをカバーできるアジリティーを高めていくことが、これからのカギとなると思っています」

 世界の強豪は高さがあるが、そこにこれまで以上のアウトサイド・シューティングがついてくる。実際、今大会で3Pショット成功率のランキングを見ると、1位は韓国代表の42.0%、2位は中国代表の41.8%で、日本代表の36.0%は8チーム中の4位だった。1試合当たりのアテンプト数32.2本と成功数11.6本はともにトップだったが、精度の点では相対的に「中の中」だ。

 パリオリンピックでは、今回の韓国代表、中国代表のように40%を超えるチームが複数登場する可能性が高い。それに対抗して金メダルを獲得するならば、日本代表は東京2020オリンピックの数字(大会1位の38.4%)を上回る成功率を、より高い安定感で達成しているだろう。

 8月にハンガリーで開催されたFIBA U19女子ワールドカップ2021でも、上位進出チームの3Pショットの確率が前回大会に比べて軒並み上昇していることがデータとして確認できた。出場国全体の1試合における平均アテンプト数は、2019年の22.4本から2021年は23.8本への微増だったが、成功率が30%を越えたチームがゼロから5チームへと大幅に増えていた。

 同大会で優勝したアメリカ代表に注目すると、3P成功率もトップで40.2%であり、2019年の前回大会における29.5%(2位)から10.7%ポイント上昇していた。2019年大会の29.5%は、今年の大会に当てはめると6位相当の数字だ。アテンプト数に関しても、アメリカ代表は2019年の17.4本から今年は25.6本へと激増。成功数は5.1本から10.3本への倍増だった。

 世界のユースが全体的にアウトサイド・シューティングの精度を高めており、中でもアメリカが腕を上げていることを感じさせるデータ。それを見れば、この世代がさらに成長して歴戦のベテランたちとともに登場してくる、あるいはその世代に刺激されてさらに円熟味を増したプレーヤーたちが集まる2024年のアメリカ代表は、現在以上の脅威だ。

 必ずしも毎度の大会で数値が上昇していくわけではなく、例えば東京2020大会でのアメリカ代表は、リオ大会の45.3%から35.1%へと3Pショット成功率を下降させていたのは事実だ。しかし、だから次も下降、あるいは同レベルと想定することには意味がない。逆に2016年を超える驚異の決定力を想定するべきだろう。同時に、こうした数字が可能なことがすでに証明されているのだから、日本代表はそのレベルで入れてくるチームの一つになっていることが、自然と想像できる。

 世界の大きなディフェンスに対して3Pショットを45%以上の確率で決める日本代表は、そのためのさまざまな能力を備えている。それは確かに、ワクワクが止まらない女子バスケットボールの進化を期待させてくれる。

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