【バスケ×食事】しっかり食べるって意外と難しい。[補食]を上手に使おう!(月刊バレーボール&月刊バスケットボール)

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出典元:月刊バレーボール&月刊バスケットボール

インターハイや全国中学大会などが開催される夏休みは、部活生たちにとって大切な期間だ。その予選に敗れれば次の大会に向け、日々練習に打ち込むことになる。さらに今年の夏は、連日、オリンピックでのトップアスリートたちの躍動が伝えられているだけに、やる気にみなぎる部活生が多いに違いない。

コンビニでも揃えられる【練習前・練習後】にオススメな補食まとめ

 しかし、気持ちだけで、パフォーマンスが向上するわけではない。スキルとともに、体力の向上が必須なのは今更言うまでもないだろう。そして、その体力を作り出すのはトレーニングと食事である。海外で活躍するトップアスリートが専属の料理人を雇っているといったニュースを目にすることもあれば、“勝負メシ”なんて言葉も耳にする。しかし、アスリートにとって食事=栄養摂取がどのくらい大切なのか、どんなものをどのタイミングでどのくらい摂取したらいいのかと、分からないことが多いのが実際のところだ。

 そこで、この夏、必死に汗を流している多くの部活生たちに必要な栄養情報を、メジャーリーグで大活躍を見せている大谷翔平選手をはじめ、多くのトップアスリートの栄養サポートを行っている管理栄養士の大前恵(株式会社 明治)さんにうかがった。大前さんは、最近ではバスケットボールの河村勇輝(東海大)選手の栄養サポートも担当しており、アスリートの生の声を知るエキスパートだ。

──食事をしっかりと摂りたいと思っていても、さまざまな都合で、必要なタイミング、必要な量を摂れない場合もあると思います。そうした時はどのように対応していけばいいでしょうか。

 「例えば、寮生活を送っている場合でも、運動部向けの特別な寮でなければ、食事の量は足りないでしょうし、自宅生ならば、朝早く家を出なければならなかったり、保護者の方に仕事があり食事の準備ができなかったりすることもあるでしょう。お昼が給食であれば、一般的には部活生には足りません。そう考えると日常でしっかりと食べることは意外と難しいですよね。

 そんなときには、食事と食事の間に足りない栄養素を摂ることが必要です。いわゆる間食のことですが、我々は足りない栄養を補うという意味で補食とも言っています。量が足りない、栄養素が足りないなど、その状況に応じて補っていくのです。

 例えば、給食を一人前食べたときに、以前説明した『栄養フルコース型』の食事の中で足りない分、4.果物がなければ果物、5.乳製品がなければ乳製品を、また量としては2人前の2.おかずは出ないので、その分のおかずを次の食事(夕食)までの間、部活の前後に補うというふうに考えてください」

──具体的にはどのようにして、足りないものを補えばいいでしょうか。

 「例えば、給食で2.おかずが足りなければ、魚肉ソーセージやゆで卵などで補うことを考えるわけです。1.主食が足りないのならばおにぎりを持っていく。4.果物が足りないのならばミカンを持っていく。それができなければ、100%のオレンジジュースでもいいでしょう。1.主食や4.果物に多く含まれる炭水化物(糖質)は練習時のエネルギーになるので、練習前のエネルギー補給としても役立ちます。

 また、練習後にはリカバリーを考える必要が出てきます。使ったエネルギーは補充しなければいけないので炭水化物(糖質)をカラダに戻し、激しい運動を行うと、筋肉の組織が破壊されるので、たんぱく質を摂取してそれを修復します。さらに前回のテーマであったカラダに適切な水分量を戻すこともリカバリーの一つです。この3つのリカバリーをきちんと行わないと、練習が続くほど、疲労がたまり、ケガなどにつながってしまいかねません。そして、リカバリーのタイミングは練習後、早ければ早いほどいいのです。

 練習後すみやかにおにぎりを食べたり、100%オレンジジュースを飲んだり、プロテインを摂取したりするのは、研究データに基づいていることで、多くのプロアスリートが実践していることなので、参考にすると良いでしょう。

 また、自宅に帰るまで時間がかかる場合など、例えば練習後に『栄養フルコース型』の食事でいうところの1.主食と4.果物を軽く食べておくことで、夕食時にその2つを減らすことができ、夕食量全体のボリュームを減らすことができます。アスリートにとって、栄養と共に、休養(睡眠)はとても大切な要素です。夜遅くに食事を摂るのは消化の面でカラダに負担になるので、夕食量が減ることは質の高い睡眠のためにも効果的です。

 このように補食を上手に使うことで、体に必要な栄養を必要な量、タイミング良く摂取できるようになります。練習後のコンビニで買うものを工夫したり、自宅や寮の冷蔵庫にはハムや納豆、ヨーグルトなど、そのまま調理しないでも食べられる食材を常備しておくことで、足りない栄養を手軽に補充できるようになります。ツナ缶や卵などもあると便利な食材ですね。あとは、夕食から時間が経っていれば、寝るまでの間も補食の良いタイミングです。

 寝ている間にもカラダがつくられるので、材料であるたんぱく質を効率よく摂るために乳製品やプロテインなどを摂取しておくといいでしょう。皆さんの日常生活の中で、不足しがちな栄養素があると思いますので、それぞれのスタイルにあった補食を準備しておくといいでしょう。

 補食には、足りない栄養、量を補うため、練習前にはカラダを動かすのに必要なエネルギーを蓄えるため、練習後にはリカバリーのため、そして寝る前にはカラダづくりのためといった役割があります。『栄養フルコース型』の食事を3食といった基本を抑えつつ、足りない分や、リカバリーなどを考えた補食の組み合わせで、タイミングよくカラダに必要な栄養素を摂取していきましょう」

──補食に向かない食材、例えばお菓子などはどうでしょうか。

 「考え方として、何がバスケットボールのためにより良いものかと考えていってほしいですね。間食=補食を摂るときに、スナック菓子を食べるのか、ヨーグルトを食べるのかで、スポーツに取り組む姿勢が見てとれると感じています。補給したいのは、バスケットボールのためのエネルギー源になり、リカバリーやカラダの材料となる炭水化物(糖質)やたんぱく質が主になります。例えば甘いものでもアンパンやカステラ、ヨーグルトなどは補食としていい食材です。

 一方で、いわゆるスナック菓子の類は、炭水化物(糖質)やたんぱく質より脂質が多いので、補食としてはあまりおすすめできません。脂質にもエネルギーを効率よく摂ることができるなど役割はありますが、必要以上に多く摂ると体脂肪になりやすいので注意が必要です。バスケットボールのような激しく動き回る競技の場合、過剰な体脂肪は重りにしかなりません。スナック菓子などを食べる場合は、栄養を得るためではなく、気分転換やご褒美といった位置づけがいいと思います。あとはコーヒーショップやコンビニで売っている生クリームがたっぷりのドリンク類も、かなりの脂質の量…、チーズバーガーと同じくらいの脂質ですから、好きな人は飲み物だからと軽く思わず気を付けたいですね。

 最近の商品には100g中の成分表示がしてあると思いますが、脂質が10g以上あるものは、補食として摂取するにはあまり適していないとアスリートの栄養サポートでは考えています」

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