初挑戦のように  渡部愛女流三段インタビュー(スポーツ報知)

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出典元:スポーツ報知

将棋の第1期白玲戦七番勝負が11日、東京都港区のグランドニッコー東京台場で開幕した。

 渡部愛女流三段(28)は順位決定トーナメント準決勝で第一人者の里見香奈女流名人(29)=清麗、女流王位、倉敷藤花=を破り、新棋戦の番勝負という大舞台に上がった。

 相手は里見と全女流タイトルを分け合う西山朋佳女流三冠(26)=女王、女流王座、女流王将=。超強敵と「初代白玲」の称号を懸けた戦いに臨む。

 タイトルに初挑戦した2018年度の女流王位戦で里見から初タイトルを奪取し、棋界に衝撃を与えて3年。翌年に失冠したが、ようやく晴れ舞台に舞い戻った。

文・北野 新太/カメラ・矢口 亨

 白玲戦七番勝負を見守る上で、念頭に置きたい数字が2種類ある。

 ひとつは今期の女流棋士勝率ランク。

〈1〉里見香奈 15勝1敗(・938)

〈2〉西山朋佳 8勝2敗(・800)

〈3〉渡部 愛 14勝5敗(・737)

 2強の背中を負う渡部は好調を維持し、安定した勝ち星を挙げている。

 もうひとつは一般公式戦(いわゆる男性棋戦)における女流棋士の通算勝率ランク。

〈1〉西山朋佳 10戦5勝5敗(・500)

〈2〉里見香奈 79戦32勝47敗(・405)

〈3〉渡部 愛 25戦9勝16敗(・360)

 通算勝率で3割5分を超えるのは3人しかいない。女流タイトル戦の常連である加藤桃子女流三段も、伊藤沙恵女流三段も達していない。

 何を意味するか。渡部は早指しよりも一般公式戦などの長い持ち時間の将棋を得意とする傾向があること。

 初タイトルを奪取した女流王位戦五番勝負は女流棋戦で最長タイの持ち時間各4時間だった。白玲戦七番勝負も同じ持ち時間で行われる。

 好調と適性。

 2つの武器を手に大勝負へと向かう渡部に聞いた。

 ―2年ぶり3度目のタイトル戦になる。

 「近づくにつれ、緊張感で身が引き締まる思いです。挑戦ではないですけど、気持ちは初挑戦の時に似ています。相手は西山さんですので、こちらはぶつかっていく挑戦者のつもりで臨みます」

 ―西山さんの印象は。

 「豪快な攻めが持ち味で、一気に決めにいく技術がすごく高いです。三段リーグであれだけ活躍されて、公式戦でもたくさん勝っている。男性棋士と変わらないような強さをお持ちなので、厳しい戦いになります。交流はあまりないです。気軽に遊びに誘えるような方ではないですよね(笑)」

 ―公式戦初手合になりますけど、一昨年のNHK杯・出場女流棋士決定戦(非公式戦)で指して敗れています。

 「西山さんの先手中飛車に銀冠穴熊で対抗した将棋でしたけど、こちらの攻めに対する切り返しに対応できませんでした。対抗形を幅広く研究している印象がありましたし、形勢に差が付くと逆転は難しい、という感覚を受けました」

 ―圧倒的な力を持つ人と対峙する上では、初挑戦で里見香奈さんから女流王位を奪取した経験や記憶が生きるのでは。

 「なるほど、そうですね…。苦しい局面が何度もあると思うんですけど、気持ちで負けちゃいけないので女流王位を獲った時を思い出して頑張りたいです。でも、たしかにタイトルを獲った過去はありますけど防衛は出来なかったので。プラスも大きかったですけど、マイナスも大きかったんです。だから今回は新しい勝負として臨みます」

 ―順位決定リーグ7戦、順位決定トーナメント2戦を振り返って。リーグでは4戦目で中澤沙耶女流初段に敗れましたけど、あとを全勝で乗り切った。

 「あの将棋は終盤に自玉の逃げ道が2つあるところを間違えて頓死してしまったんです…。自分はやっぱり終盤で冷静に判断できないんだな…と思ってショックでしたけど、次の山根さん(山根ことみ女流二段)戦は引きずらずに指せて、なんとか踏みとどまりました。トーナメントで里見さんに勝てたのはもちろんうれしかったんですけど、相手が里見さんだから、という特別な感情は無かったです」

 ―七番勝負は未体験の長丁場になる。

 「最低でも4局指しますし、持ち時間も4時間ですからしっかり考えられる。体力勝負にもなってくるのかなと思います。体調管理をして、いっぱい食べていっぱい寝ます(笑)。運動は…休止しているリングフィットアドベンチャー(ニンテンドースイッチ専用のフィットネスゲームソフト)を再開しようかな…と(笑)」

 ―長い持ち時間に適性を感じているのでしょうか。長考を厭わず、むしろ得意とする印象を受けます。

 「長い持ち時間でたくさん考えるのは好きなのでうれしいんですけど、逆に自分の欠点を物語っているとも思うんです。早指しに対応できていないということなので。強い人はどんな持ち時間でも強いので」

 ―各所を回る旅にもなる。

 「金沢(第2局)と指宿(第3局)は一度も行ったことがないので楽しみですね」

 ―西山さんは指宿で砂風呂に入るのが楽しみだと…。

 「わ、うれしい。西山さんも入る気満々なら、私も安心して入れます。対局者がゆっくり入っていいのかな…みたいな気もしていたので(笑)」

 ―渡部さんは同郷棋士の野月浩貴八段との特訓によって力をつけ、タイトル獲得に至ったことが知られています。今はどのような研究スタイルなのでしょうか。

 「もちろん野月先生にも教わっていますけど、いつまでも手取り足取りというわけにはいきませんので、一人の勉強時間が増えました。一局面を深く考えるスタイルは変わっていません。コロナ禍で対面の研究が減って、勉強の質をどう上げるかは常にテーマです。今は昭和の時代の横歩取りやひねり飛車の棋譜も勉強しています。戦型を特化するより、幅広く知識を膨らませたい思いがあります」

 ―前を向く力は、やはりタイトルの栄光を再び手にしなければならない、という思いなのでしょうか。

 「タイトルを獲る喜びを知って、同時に失う悲しみも知りました。将棋を続けてきて、初めて大切なものを失ってしまう喪失感を覚えて。立ち直るまで時間がかかった感覚もあります。1回で終わってはいけないという思いはありながらも、なかなか結果がついてこない苦しさもあったので、ようやくタイトル戦の舞台に戻って来られたんだ、という思いはあります」

 ―盤外ではコンサドーレ札幌の熱心なサポーターとしても知られます。戦術やシステムの変化を将棋にも重ねているとか。

 「刺激を受ける部分はあります。最近は、五輪の影響などもあってJリーグが過密日程になって、ルヴァン杯なども含めると中2日とか中3日でゲームがあったりするんです。将棋でも過密日程はかなり大変ですけど、90分間走るサッカーで中2日というのは…。どんなふうにプロとしてのコンディションやモチベーションを維持しているのかな、というのは気になります。好きな選手ですか? ジェイ選手のポストプレーの柔らかい落としはかなり好きですね。最近は青木亮太選手の独特のドリブルも!」

 ―やはりコンサには特別熱いですね…。ちなみに白玲戦は優勝賞金1500万円も話題ですけど…。

 「すごく驚いて、夢のあるお話だなあ、とは思いましたし、女流棋士みんなにとって、頑張りたいと思うモチベーションになっていると思いますけど…勝たないともらえないですからね(笑)」

 ―渡部さんの活躍は、所属する日本女子プロ将棋協会(LPSA)にとっても常に大きなニュースです。

 「新しい女流棋士の田中沙紀さんも入ってくれましたし、これから女流棋士になりたい、LPSAに入りたい、という方にちゃんとした姿や将棋を見せなきゃいけないという使命感は持っています」

 以前、取材で「指導する女の子から『自分も女流棋士になりたいんですけど、どうしたらいいですか?』って聞かれたら、なんて答えますか?」と聞いたことがある。

 渡部は珍しくちょっとだけクールな口調で「女流棋士を目指す子とタイトルを目指す子では、かける言葉は変わってくると思います」と言った。

 棋士にとって、女流棋士にとって、渡部にとって、タイトルとは最大の夢である。

 手にする喜びも、失う悲しみも知った渡部は今、再びの頂点を目指して白玲戦第1局の対局室にいる。

 ◆渡部 愛(わたなべ・まな)1993年6月26日、北海道帯広市生まれ。28歳。北海高卒。13年、女流棋士デビュー。15、16年にYAMADA女流チャレンジ杯連覇。17年、世田谷花みず木女流オープンと白瀧あゆみ杯で優勝。18年、初挑戦の女流王位戦五番勝負で里見香奈女流王位を3勝1敗で破って初タイトルを奪取。翌年、里見の挑戦を受けて1勝3敗で失冠する。今期の女流名人リーグ(主催・報知新聞社)は現在3勝3敗。趣味はサッカー観戦。

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