大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)3場所連続休場からの再起を目指す横綱稀勢の里(31)は6日、福岡・春日市の尾車部屋で行われた二所ノ関一門による連合稽古に参加し、関脇嘉風(35)との三番稽古(同じ相手と何度も取る)で10番取って8勝2敗。上々の結果で復活へ弾みをつけた。
現状をはかる、知る。3場所連続休場中の横綱にとって、自信を深める「定点観測」となった。
本場所前恒例の一門による連合稽古。稀勢の里が相手に指名したのは、嘉風だった。いきなり2連敗。だが、強烈な左はず押し、素早く右上手を引きつけて体を密着させる寄りで8連勝した。
「(連合稽古で)いつもやる相手だし、いい稽古になる。(結果は)嘉風の調子もあるからね」
7月の名古屋場所前の連合稽古では負傷した左腕の攻めを封じられ、2日間で計11勝19敗。いらだって拳で壁をたたく場面もあった。不調の残像を引きずった同場所は、左足首を痛めて途中休場に追い込まれた。だが、嘉風は「あのときとは全然違う。左腕が使えている。それができるから圧力も違っている」。