【二十歳のころ 井上康生(4)】「世界の山下」から学んだ指導の基本(サンケイスポーツ)

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情熱、創意、誠意。これを、男子日本代表を率いる監督として指導の3本柱に掲げている。

 特に、選手の創意を育む狙いで、知識を提供する機会を多く与えている。やみくもに努力するのではない。自ら考えてレベルアップを図ることのできる柔道家を育成するのが本望なんだ。

 「人の話をよく聞きなさい」「本や新聞を読みなさい」と、ことあるごとに選手に伝えている。本や新聞や人の話には、創造力を膨らませる宝が眠っているように思うからね。

 以前、強化合宿に、われわれのスポンサーであるスポーツメーカー「ミズノ」で会長を務めた水野正人さんを招いた。仕事での成功例と失敗例を大きなテーマとして、講演してもらった。警視庁特別捜査官に来てもらったこともある。薬物や反社会的勢力から、いかにして身を守るか。そんな講話は大いに役立った。

 日本代表には「講義班」というスタッフによる組織がある。強化合宿を行う際、そのメンバーを中心にして時期にふさわしい勉強会を設けるために結成した。例えば、試合前だったらドーピングや栄養管理を主題にする。ときに選手には感想文を書かせて、考えを整理させているよ。

 こうした指導のルーツは、神奈川・東海大相模高や東海大で汗を流した現役時代にある。二十歳のころに影響を受けた人物を挙げるなら、間違いなく山下泰裕先生(現、全柔連会長、日本オリンピック委員会選手強化本部長)。高校生のときから東海大の道場に一人足を運び、当時指導にあたっていた山下先生や佐藤宣践(のぶゆき)先生(現、桐蔭横浜大学長)から稽古を受けた。

 単純に技を鍛えるだけではいけない。柔道家としての個性、いわば創意を磨くための方法を教えてもらったように思う。本や新聞を読み、人の話を聞く重要性は先生たちから学び、この時代に考える力を伸ばしたんだ。

 このころから読書に興味を持つようになった。実は今、日本史の本を頻繁に読んでいる。好んでいるのは戦国時代や幕末、日露戦争や太平洋戦争も興味深い。自然と、指揮官としての視線でページをめくっていると気付く。なぜ太平洋戦争で日本は敗れたのか、なんて考える。こういう展開に陥ったら組織は機能しなくなる、と結論づける。歴史における成功例や失敗例の学びは、指導者としての幅を広げるんだ。

 選手というのは、良い時期は放っておいても成長する。状態が悪くなったとき、いかにして立て直してあげられるか。例えば、戦時中に指揮官がどんな指令を出していたのかを引き合いに、監督としての選手の向き合い方を考えたりしている。

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