バスケ男子日本代表、進化の確証を得たFIBAアジアカップ予選(月刊バレーボール&月刊バスケットボール)

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出典元:月刊バレーボール&月刊バスケットボール

バスケットボール男子日本代表が6月16日から4日間戦ったFIBAアジアカップ予選。6月19日、最後の対中国戦に84-90で敗れた日本は、2勝2敗のグループB2位でフィリピンでの全日程を終えた。
 しかしこの日の試合で日本は、格上と目される中国に対しティップオフ直後から優位に試合を展開した。16日の中国との初戦では先行された上に試合開始から4分間得点できなかったが、この日は田中大貴(アルバルク東京)の3Pショットで先制。その後も金丸晃輔(シーホース三河)を中心に、第1Qは3Pショットが11本中7本成功と高確率で決まった。その多くがパスをうまくつなげた上でのフィニッシュで、チームとして良いリズムを生んでいた。良かったのは3Pショットだけでなく、比江島 慎(宇都宮ブレックス)が高層ビル街のような中国ビッグマンのコンタクトを受けながら、果敢なドライビングレイアップで得点を奪うシーンもあった。その比江島の得点で、日本は開始3分過ぎに10-4と早くも得点を2ケタに乗せた。

6/19 中国戦 日本代表メンバー表

 この日の中国代表には、前回対戦した6月16日にはいなかったジョウ・チー(#15 ZHOU Qi、212cm/C)が加わっていた。ジョウは2016NBAドラフトの2巡目13位(全体43位)でヒューストン・ロケッツから指名されたビッグマンで、同年のリオオリンピックとFIBAワールドカップ2019にも出場していた。今予選会には、直前に目の手術を受けたため当初登録されておらず、フィリピン到着が17日となったため日本との2試合目が今大会初登場となった。
 ジョウの加入で初戦以上の強敵となった中国代表。しかし日本はディフェンス面でも、高さを生かしてインサイドにボールを集めようとする相手に対し、巧みなポジションニングと活発なフットワーク・ハンドワークで堅守を見せた。
 前半終始先行。45-41の4点リードで後半を迎えた日本が初めてリードを奪われたのは、第3Q残り4分55秒に55-57となった時点だ。ここでも崩れることはなく、粘り強く戦ってこのクォーター終了時点でも69-65とリードを保った。

 この時間帯は富樫の安定感のあるプレーメイクが大きな支えになった。力強く緩急の効いたドリブルワークでマッチアップしたディフェンダーを翻弄し、鋭いドライブからあるときはキックアウトして味方をお膳立て、あるときは自らレイアップを沈めた。3Pショットも決まり、最終的にはチームハイの17得点(ゲームハイのジョウ・チーの18得点に次ぐ点数)。持ち味を大いに発揮してチームを助けた。

 第4Q、中国がディフェンスのプレッシャーを高める中、日本はしぶとく得点を重ねる。残り7分21秒には田中のドライビングレイアップで78-73。さらに残り6分47秒には、富樫のドライブ&キックから田中がつなぎ、アシストを受けたロシターがフローターを決め、80-73とリードを広げた。
 この時点まで、世界標準の高さとパワーを持つ中国に互角以上の戦いをできた日本。しかし、以降は世界の壁を実感する時間帯が待っていた。タイムアウトを取った中国がディフェンスを1-3-1ゾーンに切り換え、日本のリズムを崩しにかかったのだ。日本のオフェンスはこれに沈黙してしまう。

 一方の中国は、ジャオ・ジーウェイ(#4 ZHAO Jiwei、185cm/G)のフリースロー、ジョウの圧倒的な高さを生かしたダンク連発(1本はジャオからのパスを受けたアリウープ・ダンク)で6連続得点と急加速。80-79と追い上げられた日本は、残り4分10秒にラマスHCがタイムアウトを請求した。
 建て直しを図った日本だが、直後のオフェンスで中国は目先を変えるようにディフェンスをマンツーマンに戻してきた。ここは何とか対応してロシターのフリースロー(1本成功)につなげた日本だったが、さらに次のポゼッションで中国は再び1-3-1ゾーンに転換。迷いの出た日本はその後のポゼッションで、意図しない形でのフィニッシュを強いられた。結局、中国側のタイムアウト以降試合終了までにフィールドゴール成功が富樫の3Pショット1本のみに終わり、4-17と完全にペースを持っていかれてしまった。

 試合後の会見でラマスHCは、「この試合についての思いは2点。我々は改善を重ね、どんどん良いプレーができるようになっています。しかし試合の終え方がわかっていません」と話し、力負けしたことを認めた。「ゾーンに対してはもっと練習が必要です。まだ遂行力がついていません。次の試合に向けた良い勉強になりました」
 勝ちたかったのは言うまでもない。しかしラマスHCが話すとおり、これ以上に貴重なものはないとほど貴重な経験を積むことができた。16日の初戦では得られなかった類いの経験だ。
 国内組だけで臨んだFIBAの国際大会で、格上と目されたチームを相手に勝負のクランチタイムまで優位を保ち、その結果として相手に修正を強いることができた。ビッグマンは厳しい状況がある程度想定された中で奮闘し、武器とすべきシューターに好機を生み出すチームオフェンスを33分間以上継続できた。
 プレーメイカーもシューターもフロントラインのプレーヤーも、期待に応えなかった者がいなかった。田中はドライビングレイアップが高さ満点のブロックショットの餌食になるシーンもあったが、このチャレンジがきっと次に生かされるはずだ。最も小柄な富樫のクイックネスが、たびたび目立たないところで相手をオフバランスにさせ、チームオフェンスを優位に立たせたことも見逃せない。

 格上に対して33分間以上、自分たちのバスケットボールで優位を保てたことで、それぞれが自信を深めただろう。この試合に登録されなかったプレーヤーたちも、ベンチ入りしたメンバーとともにBリーグでやってきたことに対して手応えを得たのではないだろうか。
 最後の約6分40秒の時間帯は課題を明確にするステップだ。これは1-3-1ゾーンそのものに対する動きというのもあるが、今後ステップアップするには、自分たちよりも大きく身体的に強い相手が仕掛けてくる変化に対して、即座に最善の対応できるようになることを求められている、ということだろう。厳しい現実を突きつけられた形でもあるが、まちがいなくこの段階で踏んでおくべきステップだった。

 男子日本代表は、6月後半から7月にかけて強豪相手の国際試合が続くが、同じような経験を蓄える機会になりそうだ。その過程で、優位な時間をどれだけ作れるか、また終盤に勝ちきることができるかは、興味深いみどころの一つだ。
 中国のドゥー・フェン(DU Eeng)HCは、「試合前、プレーヤーたちに『今日は前回以上に難しい試合になるぞ』と話しました」と話し、チャイニーズ・タイペイとの試合で調子を上げていた日本代表に対し警戒を高めていたことを明かした。「緊張もあったかもしれませんが、思うようなプレーは攻守ともできず、ワイドオープンで何本も決められました」

 たぶん中国代表側の緊張もあっただろう。しかし最後の試合時間の約75%にわたって日本が優位を保てた大きな要因は、まちがいなく日本側のゲームプランとマインドセットだ。苦戦が見込まれたインサイドの戦いにも、武器とすべきアウトサイドシューティングにも、自信と気迫を持って戦っていた。試合中2度、両チームのプレーヤーが熱くなり小競り合いになるシーンがあったが、それだけ闘志を持って臨んでいた証しだ。
 ただ、これもラマスHCが話したとおり、やはり中国は勝ち方を知っている。「前半を終えて3Pショットを20本中10本決められていましたが、『必ず下がってくるから、慌てず我々のやってきたバスケットボールをしよう』と話しました。終盤は実際そうなり、残り6分40秒あたりのタイムアウトでディフェンスを変えた後は、日本を4得点に抑えることができました」とドゥーHCは振り返った。

 日本のプレーヤーでは、金丸に特に注意したという。「皆に『#14はプロリーグのMVPで優秀なシューターだから、何としても抑えよう』と話しました。今後の国際試合でも、中心的プレーヤーに好きにさせないことが重要になりますからね」。その中で金丸はフィールドゴールアテンプト6本で成功が3本、さらにフリースロー3本を決めて12得点を奪った。右ウイングの深い位置から、ファウルをもらいながら「4点プレー」を成功させた場面もあった。
 収穫の多かった今予選会を終えた男子日本代表は、試合後早々帰国の途についた。次は6月23日から27日にかけて、宮城県と岩手県でイラン代表を招いての国際強化試合が3試合組まれている。新型コロナウイルス関連の対応や時差の影響解消などを含め、両チームがベストコンディションでプレーできること、その中で男子日本代表が今回の経験も踏まえさらにステップアップできることを願うばかりだ。

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