藤井聡太棋聖「初心に戻って」重要対局続く “試練の夏”へ慢心なし(スポーツ報知)

出典元:スポーツ報知

将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位=は4日、史上最年少防衛と九段昇段を達成した第92期棋聖戦五番勝負第3局から一夜が明け、対局地の静岡県沼津市内で会見に臨んだ。色紙の揮毫(きごう)には、あえて「初心」の2文字を選択。師匠の杉本昌隆八段(52)より高段者になり「師匠への恩返しとして良い報告になれば」と感謝の思いを語った。

 午前9時。和装ではなくスーツ姿の藤井は、晴れやかな表情で会見場に現れた。「防衛戦でタイトルの重みを感じながらの戦い。結果を出せたのは大きなことでした」。ずっと「自然体で」「挑戦する気持ちで」と強調してきたが、手にした冠の重さを意識していたと、戦い終えて初めて明かした。

 報道陣に披露した色紙には「初心」の2文字があった。「防衛という結果に満足することなく、初心に戻って前を向いていきたい気持ちを込めました」。昨年の獲得一夜明けでは、タイトルホルダーらしい「探究」の言葉を選んだ。他にも「大志」「飛翔」「進」など未来志向の文字を好んでしたためるが、あえて基本に立ち返る決意を示した。

 普段のように前夜は12時に就寝し、午前7時に起床。杉本八段から祝福のメールをもらった。18歳は師匠よりも高段者となったが「師匠以上の活躍をするのが『恩返し』であると(将棋界では)言われているので、良い報告になるのかなと」と丁重に感謝した。

 3日の第3局では、挑戦者・渡辺明名人(37)=棋王、王将=との最終盤の格闘を制した。圧巻のストレート決着で雪辱戦を返り討ちにし、18歳11か月での史上最年少防衛を達成した。「タイトル獲得3期」の昇段規定を満たして棋界最高段位の九段に上がったが、正念場の夏が待ち受ける。

 先勝を許した王位戦七番勝負、25日開幕の叡王戦五番勝負で豊島将之竜王(31)=叡王=とのダブルタイトル戦に臨む。1勝7敗と大きく負け越す宿敵との連戦となるが「豊島竜王の強さを感じていますが、最多で12局指せることは自分にとって良い機会なので、新たな発見や手応えがあればいいかなと」と、さらなる成長への転機と捉えている。

 休む間もなく、週明けから重要局が待つ。6日に順位戦B級1組・久保利明九段(45)戦、10日には竜王戦決勝トーナメントで4強進出を懸けた山崎隆之八段(40)戦が控える。「久保九段も山崎八段も他の方にはまねのできない将棋を指される。対抗できるように集中して臨めればと思います」。次局を見据える表情は、もう初心に戻ったような印象を与えた。(北野 新太)

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