【ボクシング】強打の中嶋が判定で王座獲得。千葉の奮闘許し「倒したかった…」(BBM Sports)

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出典元:BBM Sports

井上拓真(25歳=大橋)の返上により、空位となっていた東洋太平洋バンタム級王座決定戦12回戦が21日、東京・後楽園ホールで行われ、5位の中嶋一輝(27歳=大橋)が10位・千葉開(28歳=横浜光)に116対112、117対111、119対109の3ー0判定勝ち。新チャンピオンとなった。

【写真】中嶋対千葉、松本&保田の熱戦グラフ

 両目上にガーゼを貼って会見に現われた中嶋は、まるで敗者のようにうな垂れていた。
「倒して勝ちたかった」。消え入るような小さな声が、その心中をさらに表す。

 スタンスを広く取り、後ろ重心のサウスポースタイル。たっぷりと貯めたウェイトを、左ストレートとともに一気に吐き出す。それが国内バンタム級屈指の強打を生み出すのだが、この日は、やや不発に終わってしまった。「相手がタフだった」(中嶋)。それも一理あるが、“強い左を防ぐ”その想定の下に準備してきた千葉の対策が功を奏した。

 中嶋は、前の手(右)を大きく上下に揺らしてリズムと間合いを計り、左を打つと見せかけてプレッシャーをかけていく。序盤4ラウンドは、その大砲をほとんど打ち込まなかった。

 一見、プレスをかけられていると見える千葉だが、ロープを背負い、サイドへすり抜けていく動きには、余裕が感じられた。そして時折放たれる中嶋の左にはよく反応した。中嶋が手数を増やさないことで、タイミングとリズムを体に入れ、対応していった。

 千葉は右を伸ばして左フックを巻き込む。いわゆるリードブローを放たない中嶋の右腕の上に。威力はなかったが、これをコツコツと集められた中嶋は、嫌な気分になったろう。内、外と左足を出し入れする千葉の足に、右足を再三絡められてキャンバスに倒れ込んだのも、リズムを崩す要因となった。

 だが中嶋は、左ストレートと左ボディアッパーを徐々にハードヒットしていく。右を打ちながら飛び込んでくる千葉に、右フックを引っかける。「(千葉の)距離に惑わされた」という中嶋だが、強打の効果で常にポイントをピックアップ。ボディブローでダメージを少しずつ蓄積させていった。

 中嶋同様、これが初の王座挑戦となった千葉は、しかし粘り、奮闘する。10ラウンドには逆転KO寸前の猛攻も見せた。中嶋にロープを背負わせ、右ストレートから右アッパーをクリーンヒット。ガクっとヒザを折った中嶋に、連打を降り注ぐ。「あと一発貰っていたら危なかった」と大橋秀行会長に言わしめるほど。だがその一撃を決められない。中嶋も単打だが、左を上下に差し込んで跳ね返した。

 ともにダメージと疲労の色濃い状態のまま打ち合う。双方、最後の最後までダウンは拒否。中嶋は左目上をパンチで、右目上をバッティングでカット。千葉は左目下を腫れあがらせた激戦となった。

「あと1年は防衛戦」と大橋会長。自他ともに“KO”が命題の中嶋だが、これほどの苦境をしのいだこと、右リードの使い方、前後ステップなど課題も浮き彫りになったことは収穫だろう。
 大方の予想を覆し、大奮闘を見せた千葉は悔しい敗戦となったが、株を上げた。ステップをベースとした柔軟な戦い方は大きな武器だ。そのレベルアップが成れば、ますます楽しみだ。

 中嶋の戦績は11戦10勝(8KO)1分。千葉の戦績は15戦13勝(8KO)2敗。

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