【ラグビー】「時間がかかっても日本代表に」。NTTドコモ主将、ローレンス・エラスマスの覚悟。(ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン))

出典元:ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

仲間は知っていた。

 NTTドコモラグビー部へ2013年に入部し、主将経験のあるFLの佐藤大朗は言った。

「彼は本当にハードワーカーです。今年はやっと本来のパフォーマンスを発揮できている」

 話題にされたローレンス・エラスマスは、南アフリカ出身の27歳。今季は主将を担う。

 公式で「200センチ、123キロ」。空中戦や地上戦で働くLOを主戦場とする。攻めては強烈な突進で防御に亀裂を入れ、守っては危機察知へ先回りして迫る相手を真正面から捕らえる。

 2017年に来日してからは故障で出番を減らす時期もあったが、今季はここまでの公式戦8試合中7試合に出場。身内に知られた底力を、多くのファンにお披露目している。

 本人はこうだ。

「いまはチームの雰囲気が全然、違います。負け続けている時よりも、勝っている時の方がいい。好循環にあります」

 その言葉通り、今季のチームは国内トップリーグのレギュラーシーズンで開幕3連勝を達成。ホワイトカンファレンスで8チーム中3位となった。4月から参戦のプレーオフトーナメントでも、初陣となる2回戦でホンダを破った。

 2011年の初昇格から下部降格を味わうなど低迷し続けてきた関西の新興クラブが、初の8強入りを果たしたのだ。

 新加入したニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラの活躍が話題を集めるなか、エラスマスが好調の秘訣とするのは「新しいコーチが作り出した新しい環境」。総じて、前向きに互いを助け合うようになったと船頭役は言う。
  
 今季から指揮を執るヨハン・アッカーマン ヘッドコーチは、母国の南アフリカで年間最優秀コーチ賞を3度も獲った50歳。高強度の練習を課しつつ、相互理解のための催しを重ねる。

 エラスマスはかねて、アッカーマンの魅力を知る。母国の南アフリカからスーパーラグビーに挑んでいたライオンズに在籍していた頃、この人の指導を受けていたのだ。

「コーチ自身が、率先してポジティブであろうと実践しているんです。誰に対してもリスペクトの心を持って、平等に接している。(NTTドコモでも)皆がその姿を見て、マネをするようになってきたんです」

 特に感心するのは、試合のメンバーを決める際のアッカーマンの気配りだ。

 ラグビーのチームでは、週末の試合の数日前に出場メンバーの顔触れを内々で共有するのが通例。試合のメンバーから漏れた面々は実戦練習で対戦相手の動きをマネたり、レギュラー組が軽い調整をするそばで厳しく走り込んだりと、チーム力底上げのために献身が求められる。エラスマスは続ける。

「ヨハンは、(部内で)メンバーを発表する時は『毎回、毎回、頭を悩ませる。ノンメンバー(レギュラー以外)が厳しい思いをするのは申し訳ない』と必ず前置きをします。そのうえで、『ノンメンバーもチームの一部であるのを忘れず、貢献してくれ』と話しています」

 自身の試合での働きの背景には、指揮官の自身以外への配慮があると言いたげだった。何よりアッカーマンの薫陶を受けているエラスマス自身も、周りから「優しくていい奴」で通る。

 エラスマスと親しい佐藤は、一緒にウェイトトレーニングをしている際のエピソードを添える。

「一緒に筋トレしていると、彼よりも僕の方が強い種目もある。そんな時、ローレンスは『お前は本当に強すぎる!』と冗談っぽく言ってくる。会話の節々で、対等に接してくれているなと感じます。いまいる外国人選手は、チームにいい影響しか与えていません。それぞれすごい経歴を持っていて、すごいパフォーマンスをする奴ばかりですが、日本人選手のこともリスペクトしてくれる。若手もベテランも関係なく、何の壁もなくコミュニケーションが取れています」

 日本の同僚を愛し、日本の同僚に愛されるエラスマス。いまの願いは、「できるだけ長く日本でプレーしたい」と話す。

 海外選手の活躍で質の高まったトップリーグについては「もともとここへ来る前からたくさん下調べをしてきましたが、私の来日後もどんどん成長。いまでは世界有数のリーグになっている」。ここから続くのは、日本の愛好家を喜ばせる発言だ。

「自分自身もどこかでパスポート(国籍)を取るなりして、いずれは日本代表でプレーしたいと思っています」

 国際統括団体のワールドラグビーは、出生国やルーツを持たない国で代表資格を得たい選手には一定の条件を課す。2022年1月以降は、原則として当該国に60か月以上継続して住んでいて、かつ代表戦およびそれに準ずる格の試合へ出ていない選手などがそのハードルを越えられる。

 何より2021年12月末までは36か月とされている継続居住期間の判定は、厳密化の一途を辿る。2021年度の日本代表候補選考時も、数名の外国出身者が代表資格を得られなかったため選外となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて一時的に母国へ戻った選手が、大目には見られなかった。

 エラスマスは、「難しいのはわかっています」と現実を直視。そのうえで、代表入りに近づくなら国籍取得にも挑みたいと意気込んでいるのだ。

「私はまだ年齢的には若い。時間をかけてでも代表になりたい」

 いずれは赤と白のジャージィを着たいという仕事人は、「来日以来、NTTドコモで優勝したいと思っていました。その目標を達成できたら」とも意気込む。5月8日には熊本・えがお健康スタジアムで、トヨタ自動車とのプレーオフ準々決勝に臨む。

(文:向 風見也)

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