【ラグビーコラム】延びる試合時間に思う(ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン))

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出典元:ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

子どものラグビースクールの手伝いでたまにレフリーをする。対象が小学校2年生以下ならタグラグビーだ。タックルなし。人数は6対6。ややこしいブレイクダウンは起こらず、プレースピードもそこまで速くない。

【写真】世界トップシーンではレフリーに関わるストレスが少なく感じる。プレミアシップのレフリーたち。

 それでも判断を迷うことがしょっちゅうある。まだ小さい子どもだからあまりルール通り厳密に反則をとればゲームが成り立たなくなってしまうし、一方的な展開になると「たまにはこちらのチームもトライを取れるように…」なんて手心が浮かぶこともある。つまり、ジャッジはぶれる。

 時々、子どもたちから指摘される。「向こうには何もいわないのに、なぜこっちだけ反則を取られるの?」。悔しさに涙を浮かべた目で見つめられると心が痛む。自分としてはどちらか一方をひいきするつもりなんて微塵もないし、みんなに楽しんでもらいたい一心なのだけれど、なかなか思うようにはいかない。そんな日は、帰宅してからもしばらくへこんだ気持ちが続く。

 そしてつくづく思う。ラグビーのレフリーは大変だ、と。

 100メートル×70メートルのグラウンドで、30人もの選手が集まったり散らばったりしながら、相手をかわし、ぶつかり、パスをつないで、キックを追いかける。それらの事象を、基本的にレフリーとアシスタントレフリーの3人だけでさばくのだから、もはや想像を超えた世界だ。その場その場の判断で完璧なジャッジを求めるのは酷。本当にそう思う。

 ただ。最近のトップリーグを見ていて感じることがある。あまりにもゲームが止まっている時間が長すぎはしまいか。微妙なプレーが起こるたびに、レフリーはもちろんアシスタントレフリーやテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)から申告が入り、大型ビジョンに繰り返し映像が流される。そうしたシーンが、1試合に何度もある。競技規則で40分ハーフ+12分以内のハーフタイムと定められているゲームが、終了までに2時間近く要することも珍しくない。

 むろん悪質な反則や危険なプレーは厳しくチェックされるべきだ。特に昨今は選手の安全を守る観点から、頭頸部へのコンタクトやノーバインドでのチャージに厳格に対処する世界的な流れがある。ハードなコリジョンに対し過敏なほど注意深くなるのは、無理のないことかもしれない。

 できるだけ丁寧、正確に。そんな心理も理解できる。国内最高峰の戦いだけにひとつの勝敗の価値は重く、海外の超一流選手も多数参戦するとあって一つひとつのプレーレベルは極めて高い。様々な角度から映像を確かめてようやく実相が明らかになるケースも少なからずあるがゆえに、「念には念を入れてTMO」に傾くのも仕方がないとは思う。

一方で、TMOの回数が増え、その判定が長引くことによって、失われるものがあることも忘れてはならない。観客席の視線がビジョンへ向く時間が長くなるほど、ピッチの緊迫感はしぼんでいく。試合が白熱してきたところでプレーが止まり、仕切り直しの頃にはすっかり熱気が冷めきっている――なんてシーンを目にするたびに、やるせない気持ちになる。

 繰り返すが「正確、丁寧に」はよくわかる。レッドカードを出すような場面で慎重に慎重を重ねるのは当然だろう。ただしゲームは生き物だ。微妙なプレーが起こるたびに試合が止まり、そのチェックに長い時間がかかれば、どうしたってリズムは生まれない。それは、選手たちにとっても、観戦するファンにとっても、幸せなことではないはずだ。

 海外の試合、たとえばスーパーラグビーやハイネケン・チャンピオンズカップを見ていると、大会全体がそうした部分に高い意識を持って運営にあたっていることがうかがえる。TMOの回数がトップリーグに比べて圧倒的に少ないというわけではないが、リプレーの検証から最終的な判断を決定するまでが総じて早い。マッチオフィシャル間のコミュニケーションも簡潔で、主審が強いイニシアティブをとってスピーディーにゲームを進めていく。だから空白の時間にストレスを感じることがほとんどない。

 おそらくその背景には、「あまりに判定に時間をかけるとラグビーがラグビーでなくなってしまう」という危機感があるのだと思う。ラグビーは連続する流れの中でモメンタムが行ったり来たりするスポーツだ。プレー間隔が必要以上に空いては、その醍醐味が薄れてしまう。ゲームの躍動感を高めることは競技の盛衰に直結する要素であり、だからこそプロ化が進むヨーロッパや南半球では、長年TMOの運用について厳しい議論が交わされ、改善が進められてきた。

 日本のレフリーがやみくもに時間を浪費しているとは思わない。ただ、よりよいラグビーの実現のためにレフリングのテンポアップは不可欠だ。TMOに頼りすぎず、それを適用するにしてもスピード感を持って迅速に判断を下す。そうした意識を持つことは、一連の速い流れの中でプレーを見極めてジャッジするというレフリーのスキル向上にもつながると思う。

【筆者プロフィール】
直江光信(なおえ・みつのぶ)
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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