クラシック最終戦・菊花賞(G1、芝3000メートル、22日=京都)の枠順が19日、確定した。
スティッフェリオがダブルの幸運をつかんだ。前走のセントライト記念は、3着サトノクロニクルに3/4馬身及ばず4着。優先出走権を逃し、ゲートインは抽選にかかっていた。最終的に6分の1となった狭き門を見事に突破。さらには、2枠3番という菊花賞での絶好枠まで手に入れた。
栗東トレセンの投票所で抽選突破を知った生野助手は、好枠も重なり「出られるだけで御の字だったのに、枠まで良かった。言うことなしですね」と満足そうな表情。一気に機運が高まってきた。
状態面でも上昇気流に乗っている。「先週(12日)の追い切りは、しまいがバタバタ(坂路4ハロン52秒6-14秒0)だったけど、今週はだいぶ上向いていた。馬がしっかりしてきたように感じますね」と同助手。言葉通り、18日の最終追いでは素晴らしい動きを披露した。僚馬ダンビュライトと坂路で併走し、1馬身先着。4ハロン52秒6-12秒6と伸びも上々だった。
騎乗した松若騎手も手応えを隠さない。「しっかり動かすようにと指示されていたけど、本当にいい動きだった。夏場に北海道で乗っていた頃と比べて、ずいぶん良くなっていたのでビックリしました。引っ掛からない馬なので、距離もこなしてくれると思います」。加えてこの日、抽選突破を知ると「ラッキーですね!」と喜びを爆発させた。
血統、脚質も要注目だ。菊花賞に強いステイゴールド産駒。どこからでも競馬できる自在性もある。音無師は「前走はテンに出していって、少し行きすぎた。もったいなかったけど、あれで4着に入るんだから走る馬だよ」と振り返る。馬名「スティッフェリオ」とは最近発見され、よみがえった名作オペラの作品名。1度はあきらめかけた大舞台で、輝きを放つ可能性は十分だ。【中上博】
◆抽選突破での菊制覇 グレード制導入の84年以降では02年ヒシミラクル、09年スリーロールスが抽選を突破した菊花賞で勝利を挙げた。ちなみに、ヒシミラクルは1枠2番、スリーロールスは1枠1番とともに枠順も内の好枠だった。