出典元:スポーツ報知
◆JERAセ・リーグ 阪神7―1巨人(7日・甲子園)
巨人の投手陣全体に気になったことは、ボールを前でリリースできていないということだ。畠もそうだが、特に桜井が顕著でセットポジションの際に、右腰あたりにグラブを置いて始動するので、左足をしっかり踏み込んで投げられていない。
基本的なことだが、投手は打者を少しでも詰まらせるため、18・44メートルの距離をいかに縮めて投げられるかが重要。そのため、できるだけ前でボールをリリースする必要がある。本来はステップを踏みながら、テイクバックを取ることで打者との距離が自然と狭まる。しかし、それができないと直球で差し込むことは難しく、空振りが奪いにくい。
エースの菅野も同じタイプのセットポジションだが、彼は投球の軸となるスライダーを効果的に操るため、後ろでボールを離して打者までの距離をつくり、曲げ幅を生んでいる。それは菅野が自分を生かすために行き着いたものだろう。
それだけに、仮に巨人の若手投手がただ単に参考にしているのだとしたら、それは考え直すべきだ。どの選手も投球フォームを大事にしていることは理解できる。だからこそ、もう一度、原点に立ち返り、自然な動き、自分に合った投げ方を見つめ直すことも選択肢ではないか。(スポーツ報知評論家)