出典元:スポーツ報知
巨人・原辰徳監督(62)が22日、球団の“2大巨頭”を前に、日本一奪回を誓った。この日、都内のホテルで「読売ジャイアンツ出陣式」が行われ、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆(94)と長嶋茂雄終身名誉監督(85)=報知新聞社客員=が出席。原監督は「いつもの風景が戻ってきた」と喜んだ。スローガン通りの「ワンチーム」で戦い抜き、秋に大きな喜びを届ける。
力強い声色だった。原監督は出陣式にはせ参じた首脳陣、選手11人の総意を代弁するように誓いを立てた。
「今年のテーマは、1軍、2軍、3軍、そしてフロントすべてワンチームで戦います。私自身も、どういう苦難が来ようとも、今年1年戦って参ります」
巨人軍の全勢力を結集して、リーグ3連覇、そして悲願の日本一奪回を約束した。
あいさつを行う指揮官の視線の先には、“2大巨頭”がいた。この日、例年より規模を縮小し、新型コロナ感染対策をした上で招待された読売新聞、日本テレビ関係者らは17人。その中には、渡辺主筆と長嶋終身名誉監督も来場した。「渡辺主筆も久しぶりに我々選手の前に来ていただきました。キャンプが終わって、長嶋名誉監督にはグラウンドの方にも来ていただき、選手にげきを飛ばし、鋭い視線で野球の方も見ていただきました」
原監督に先駆けて、あいさつを行った渡辺主筆は「選手諸君は本当に自信を持って頑張って、断固優勝していただきたいと、お願いする次第であります」と懇願。公の場に姿を見せるのは、19年9月30日に都内で行われた「2019 読売巨人軍セ・リーグ優勝祝賀会兼クライマックスシリーズ激励会」以来。年明けに足を痛めたこともあり、この日は車いすでの登場となったが「みっともないとこをさらして申し訳ないとお詫び申し上げますが、祝勝会の時までにはぴんぴん治って元気になって出てくるつもりでおります」と日本一奪回を厳命した。
長嶋さんも渡辺主筆や、原監督らと談笑し「原監督と選手たちはきっと3連覇と日本一奪回を成し遂げてくれることでしょう。期待しています」と激励の言葉を贈った。原監督と話した際には「開幕(戦)も行くぞ!」と26日のDeNA戦(東京D)の観戦にも意欲を見せていたという。原監督も「いやぁ、お待ちしています」と、21年の船出をすばらしいものにすることを誓った。
昨今のコロナ禍で大規模な集まりもできずにいた中、やはりこの2人を迎えると、空気も変わるというものか。原監督も「いつもの風景というものが、戻ってきたなという感じがするね」と背筋を伸ばした。「久しぶりにお会いして、お元気で。我々自身も勇気をいただいたね」。この日、渡辺主筆とミスターにもらった活力を、日本一奪回で恩返しする。(西村 茂展)