◆ア・リーグ地区シリーズ ▽第5戦 インディアンス2―5ヤンキース(11日・クリーブランド)
【クリーブランド(米オハイオ州)=一村 順子】ヤンキースが11日(日本時間12日)、インディアンスとの地区シリーズ(DS)第5戦に5―2で勝利。2連敗から3連勝し5年ぶりの優勝決定シリーズ進出を決めた。ヤ軍がDSで2連敗3連勝は2001年に次いで2度目。第3戦で快投し、流れを変えた田中将大投手(28)はシャンパンファイトで喜びを爆発。13日(同14日)、アストロズとの初戦先発の可能性も十分だ。
今季3度目のシャンパンファイトで田中は誰よりも黄金の泡を浴びた。土壇場の第3戦(8日)で、7回0封と一世一代の熱投。チーム16年ぶりに地区シリーズ2連敗後の3連勝に導いた。
「これまでと違って自分が少なくとも貢献できたんで。そういう点で一番うれしい。しびれるゲームだったけど勝って決めて良かった」
第1戦は完封負け、第2戦は5点リードしながら、ジラルディ監督がビデオ判定をチャレンジし損なう采配ミスで逆転負け。試合後、指揮官自ら「私のミスだ」と頭を下げた。
2勝2敗で再び敵地に戻っての戦いはグリゴリアスが初回にソロ、3回に2ラン。今季最多勝、最優秀防御率のクルバーから2発を放って優位に進め、先発サバシアが4回まで無失点。5回に連打を浴びて1点差に迫られたがロバートソン、チャプマンがノーヒットリリーフ。9回に12球粘ったガードナーの右前適時打などで2点を追加して、レギュラーシーズンリーグ最多102勝のイ軍(ヤ軍は91勝)をうっちゃった。
「田中の素晴らしい投球が、勝利への第一歩だった。彼のパフォーマンスは、球団にとって大きな転機をもたらした」。敗退すれば解任か、とも伝えられた指揮官も救った快投をキャッシュマンGMは絶賛。本人は「それは周りが判断してください。仮に自分が言ったら、ダサいでしょ。『僕の投球で流れを変えましたよ』なんて」と照れ笑い。この日は最終戦で総力戦になることを考え、メジャーで初めてブルペンで待機したが、出番はなかった。