【内田雅也の追球】無声練習で知る「声」(スポニチアネックス)

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出典元:スポニチアネックス

阪神のキャンプ生中継をテレビやネットで見ていたファンが「あれ?」と思う。「音声おかしいのかな」と音量を上げる。すると突然、選手たちの声が大音量で響きわたって驚く。

 「――というようなこともね」とヘッドコーチ・井上一樹は言った。そんな、ちゃめっ気やいたずら心もあった。いや、新型コロナウイルスまん延の状況下、見学に来られないファンへのサービス精神と言うべきか。

 阪神22日の練習(宜野座)でのシートノックは当初、全く声を出さずに行った。球場にはただ打球音だけが響いた。スケジュール表には「サイレント」と記されていた。

 今では懐かしく、恋しいが、大観衆の球場内では選手同士の声はほとんど聞こえない。大歓声や鳴り物応援にかき消されるからだ。

 野村克也がヤクルト監督当時に行っていたそうだ。広澤克実(本紙評論家)に聞いたのを覚えている。内外野の中間に飛球を打ち上げ「アイガリッ(I got it)」(自分が捕る)といった声かけなしでも対応できるようにした。2人とも捕れる飛球なら後方(外野手)が捕ると申し合わせた。

 サイレントのノックはそんな意図ですよね?とノッカーのコーチ・筒井壮に問うと「それもあります」と笑った。メイン球場とサブグラウンドへの通路でロープ越しに距離を取りながらの会話である。「でも、それだけではありません。井上コーチに聞けば、面白いですよ。もうすぐ、ここを通りますよ」

 井上を待った。発案者だが、中日2軍監督など過去5年の指導歴でやったことなかったそうだ。

 「ここへ来い!とボールを呼ぶ、ナイスボール!と声がかかる。そんな声がない状況がいかにつまらない、気分が乗らないものか。ふだん、声にどれだけ助けられているか。助け合い。それを知ってもらいたかった」

 やってみると、内外野中継プレーで監督・矢野燿大が「外野手が自分にそこに投げにいく集中力が高まっていた」と言う、別の効果もあった。

 最後の内野手バックホームでサイレントをやめ、声出しを解禁すると、いっそう元気な声が出ていたような気がする。

 井上は「プロだからといって、すかす(気取る)なよ」と繰り返す。声なんて……といった冷笑主義こそ排除されるべきだ。元気にプロもアマもない。 =敬称略=

 (編集委員)

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