【インタビュー・挑む男】巨人・戸郷翔征、「桑田の教え」でさらに覚醒、3年目GO TO15勝ROAD(サンケイスポーツ)

出典元:サンケイスポーツ

12球団のキーマンに迫る「挑む男 2021」の第5回は、巨人・戸郷翔征投手(20)。2019年にドラフト6位で入団した右腕は、昨季9勝。将来のエース候補として、今キャンプでは新任の桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)にマンツーマンで指導を受けている。憧れの大先輩に伝授された練習法や、今季にかける熱い思いを語った。(取材構成・樋口航)

 --3年目のキャンプ

 「思っていたよりは、いい調整ができていると思います」

 --今季から桑田氏がコーチに就任。マンツーマン指導を受けている

 「意識の面でだいぶ変わったと感じています」

 --具体的には

 「(ブルペンでの)投球で、一球一球に対する意識が変わった。投球練習で『いい球がいったら2、3球続けなさい』とか。『悪い球がいったら、どういうふうに修正していけばいいか。いい球がいったときの感覚を思い出すように』と言われている。とてもありがたい指導です」

 --桑田コーチの指導で10球×3セットでテンポよく投げる練習をした

 「(ストライクが)『10球中1球しかいっていないな』と。『でも、10球中8、9球は投げられる能力はあるから、そこを目指してやるように』と言われました」

 --2年目の昨季は9勝。印象に残った試合は

 「やっぱり悔しいですけど、完封を逃した試合(11月3日、広島戦)ですね。僕的にはいい印象でもありましたし、一つ勉強になる試合になった」

 --何を感じた

 「(終盤は)体力がどうしてもついてこなかった。少し(昨春の)キャンプのときとかの意識が低かったと思いました」

 --オフは“自立”をテーマに一人で自主トレ。得たものは

 「一人で自主トレをした分、全部、自分で考えないといけない。いい面もあるけど、どうしても今日はいいかな、と妥協があるんじゃないかと思っていた。その中でいい練習ができたことはよかったと思う」

 --普段から一人で何かをすることは多い

 「割と一人でやるタイプ。寮でも自分の部屋にいますし、自分のことをしたいときにするというのが一番。自分のペースで生活したい。自立をテーマにしているし、そういう気持ちはあります」

 --1年目のオフは山口(現ブルージェイズ)に食トレを課された。現在は

 「食べたい量以上に食べるようにしています。毎年毎年、(多く)食べられるようになってきている」

 --今オフは体重4キロ増に成功した

 「焼き肉をいっぱい食べたかな。(食トレを)意識しながらやっていたし、その中で目に見えるのが体重なので、いい感じにきている」

 --現在は78キロ

 「シーズンに入ってみないとわからないが、そのままでもいいし、2キロ落ちても結果が出ればいい。維持することも大切ですけどね」

 --マウンドでは堂々としている。闘争心の源は

 「相手に勝ちたい気持ちが一番。ドラフト6位で入ってチャンスが少ない中で、チャンスをものにすることを考えた。自分の投球をしないと、いい部分を見てもらえない。ドラフト1位ではないので、そういう気持ちが大切だと思って投げています」

 --下位指名の意地

 「意識はやっぱりある。関係ないという人もいますが、それに関しては僕は思うところがある」

 --今季はさらに相手のマークが厳しくなる。プレッシャーは

 「全くない。やるだけなので。僕自身はまだまだだと思っている。プレッシャーに負けていたらもったいないですから」

 --最後に今季の目標は

 「2桁勝利、15勝を目指していきたい」

★取材後記

 今季から巨人担当になって初めての選手インタビュー。20歳とは思えない、はきはきとした受け答えに驚いた。昨年までの西武担当時代に噂で「若いのにすごくしっかりしている」と聞いていたが、実際に取材、インタビューをしていくうちに、周囲からそう言われることに納得した。

 オフは3年目で早くも自立をテーマに単独自主トレを行った。自らメニューを組み立て、妥協したくなる気持ちを抑えながら己を鍛え上げたという。昨季9勝を挙げ、他球団からのマークが厳しくなるが「プレッシャーは全くない」と頼もしい。

 菅野投手から後継者に指名され、憧れの桑田コーチからは「彼には一番厳しくしたい。柱で回らなければいけない存在」と期待されている。次期エースが一本立ちする姿を目に焼き付けたい。(巨人担当・樋口航)

★磯の王者

 宮崎・都城市出身。豊かな自然の中で育った戸郷は幼少期から釣りが大好きだ。中学時代に80センチのシーバス(スズキ)を釣り上げたというが、実は「船が(酔って)ダメなんですよ。車酔いとかもしやすい」と意外な一面も。毎年オフは、聖心ウルスラ学園高時代の釣り仲間と出かけるのが楽しみの一つで、「この前はグレ(メジナ)が釣れた。釣ったものを食べるのがうれしい」と“磯の王者”といわれる大物を釣り上げたことを自慢した。

★ステイホテル

 巨人ナインはコロナ禍で練習以外は外出自粛となっている。普段から睡眠時間が8時間以上という戸郷は“ステイホテル”の過ごし方について「寝ることが好きなので、特に何もしていない。治療くらいですね」という。昨年から休日はストレッチや治療に努めており、今キャンプも体のケアは欠かしていない。ただ、故郷でもある宮崎は地鶏や宮崎牛、釜揚げうどんなど、食の名物がたくさんあるだけに「こういう状況なので、外には出られないですけど、おいしいものを食べたい…」と複雑な胸中も吐露した。

■戸郷 翔征(とごう・しょうせい)

 2000(平成12)年4月4日生まれ、20歳。宮崎県出身。聖心ウルスラ学園高で2年夏に甲子園出場し、2試合に登板。19年ドラフト6位で巨人入団。同年のレギュラーシーズン本拠地最終戦でプロ初勝利を挙げ、CSでは球団の高卒新人として初めて先発した。昨季は開幕ローテーション入りを果たし、9勝をマーク。186センチ、78キロ。右投げ右打ち。独身。年俸2600万円。背番号20。

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プロアスリートも愛用


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