出典元:中日スポーツ
J1名古屋グランパスのMF児玉駿斗(22)は、今季のチームで唯一の新人だ。東海学園大1年の終わりに異例の“超スピード内定”が決まってから3年。「日本で一番うまくなりたい」と語る技巧派MFが、自身のルーツ、グランパスOBの元日本代表MF本田圭佑(34)とのエピソード、将来像などを語った。(聞き手・牧原広幸、渡辺拓海)
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―最初にサッカーを始めたきっかけは。
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児玉「幼稚園の頃に友達が誘ってくれて、毎日親に『サッカーやらせて』と言っていたらしい。小中はめっちゃパサー。技術で勝負をしてきました」
―小学校は本田選手と同じ摂津FCに所属。
「オランダ(※注1)の時に来てくれた。はやってた無回転を見せてくれたけど、なってへんなと思って、本人に『クリロナのがうまいやん』って言ったんですよ(笑)。そうしたら『俺のがうまいから』って」
―かなり度胸のある小学生ですね。
「普通に言っていたのかな(笑)。自分は遠藤選手(磐田)が昔から好きで、お母さんがG大阪の練習場やファンイベントに連れていってくれた。遠藤選手とだけ写真を撮るぐらい好きでした」
―スルーパスなどプレースタイルも近い。
「プレーが好きで、よくマネもした。その後はイニエスタ(神戸)、中村憲剛さん、阿部さん、柿谷さん…。うまい人にひかれてしまうので」
―改めて3年後の内定が決まった時の心境は。
「2、3回練習に行って、オファーが来てるよとなった。お風呂に行って、1年だったし、『エノくん(※注2)どうする?』と。(前監督の)風間さんだったし、絶対にうまくなれると思って決めた。親に言ったら、びっくりしてました」
―風間さんとの出会いは大きかったか。
「めちゃくちゃ大きかった。うまくなれた。止める蹴るもそうだけど、出した後の動きとか、出して寄る動きは変わったと思う」
―内定中だった2019年の途中にフィッカデンティ監督へ交代。
「周りはやっぱり『出られないんじゃないの?』みたいな反応だった。だけど、絶対に自分に必要なものがある、と。全然ネガティブに捉えたことはないですね」
―同監督の下で伸ばしたいプレーは?
「基本的に守備は全部だけど、コースを切ったり、ポジショニングだったり…。うまい選手が多い分、(ボールを)取りにいっても大学と違って外されてしまう。その辺は、いろいろと勉強しないといけない」
―プロとしての目標は。
「日本で一番うまくなりたい。皆うまいけど、俺のうまさがあるぞ、と思って。まずはキャンプでどれぐらいやれるかですが、もちろん開幕スタメンも狙っていきたい」
(注1)オランダ・VVV。本田は08~09年に在籍。
(注2)J2愛媛に期限付き移籍中の榎本大輝。東海学園大の2学年先輩で、児玉と同じ18年3月に入団が内定。
▼児玉駿斗(こだま・しゅんと) 1998(平成10)年12月3日生まれ、大阪府摂津市出身の22歳。166センチ、61キロ。摂津FC、LEO SC、千葉・中央学院高を経て東海学園大に進み、2018年3月にグランパス入団が内定。2018年には特別指定選手としてリーグ8試合に出場し、ルヴァン杯では1試合1得点をマークした。