出典元:スポーツ報知
◆天皇杯決勝(1日・国立競技場)川崎1―0G大阪
川崎がG大阪を1―0で下し、天皇杯初優勝を飾った。この試合を最後に現役を引退するMF中村憲剛(40)は最後まで出番はなかったが、チームメートと喜びを分かち合った。
最高の笑顔だった。試合後、試合に出ていない選手としては異例のヒーローインタビュー。中村は「感無量です。おそらく世界で1番幸せなサッカー選手なんじゃないかと思います。18年の最後に中村史上最高の1年を過ごせました」と頼もしい後輩たちに感謝した。
現役ラストマッチとなったこの一戦はベンチスタート。後半10分にルーキーFW三笘のゴールで先制。だが以降は追加点が奪えず、試合終盤はG大阪に押し込まれる展開となったため、最後まで出番は訪れなかった。それでもタイムアップの瞬間、ベンチでMF大島を抱きしめ、喜びを分かち合った。
4年前のリベンジを果たした。17年元日の天皇杯決勝。鹿島との一戦で延長戦の末、1―2で敗れた。集中力を欠いていた中、鹿島に隙をつかれて決勝点を奪われた。「僕もアップをしながら、声を掛けながら一緒に戦っていた。出られなかったのは残念ですけど、勝ちが全てなので。僕たちは4年前に痛いほど味わっている。この4年間で培ってきたものが出せて勝つことができた」とチームの成長を実感した。
「今もまだ実感がなくて、来週あたり等々力でボールを蹴りそうな感じはしている」と話すが、今後は選手としてピッチに立つことはなくなる。それでも何も心配することなく、後輩にチームをたくせる。
「今日の試合も出ていないし、すでにフロンターレの形はある。チームを託せる、預けられるからこそ引退できた。何も心配していない。本当にありがとうございました」
川崎のために18年間走り続けてきた男が、スパイクを脱いだ。