佐藤蛾次郎の店、コロナ余波であす閉店 半世紀の歴史に幕 「男はつらいよ」渥美清さん愛した寅さんカレー幻に(スポーツ報知)

出典元:スポーツ報知

新型コロナウイルス感染拡大による休業や時短営業の影響を受け、長年の名店として親しまれた店舗の閉店が相次ぐ1年だった。国民的人気映画シリーズ「男はつらいよ」での源公(源ちゃん)役で知られる俳優・佐藤蛾次郎(76)が東京・銀座で営んできた「Pabu 蛾次ママ」も31日に営業を終える。故・渥美清さんも愛した薬膳カレーは幻の味になる。閉店前の思いを蛾次郎に聞いた。(北野 新太)

 取材開始時、蛾次郎の携帯が鳴る。山田洋次監督からの着信だった。料理が得意な「源ちゃん」は例年、正月に手作りおせちや雑煮を山田邸に届けている。ところが、コロナ禍の今年は環境が異なる。恩師からの「大丈夫だからね。いつもありがとうね」との心遣いの連絡。電話を切った蛾次郎は「本当に残念だよね…。いつも一番ダシを取るところから始めるのに…」と肩を落とした。見えない脅威はさまざまな場所に影響を及ぼしている。

 国民的キャラクター「源ちゃん」の店が大みそかで25年の営業を終える。1974年頃に新橋でスナック「撫子(なでしこ)」を始め、77年に銀座に移転して「PoPo」に。96年10月から「蛾次ママ」を営業してきたが、3店で約半世紀続いた歴史に終止符を打つ。「本当にいろんな思い出があるよ。前の店も合わせたら、渥美清さんも倍賞千恵子さんも来てくれた。残念だけど…しょうがないよ」

 4月に緊急事態宣言が出て以降、6月まで休業した。7月7日に営業再開したが、客足は90%減。基本料金3500円の低価格設定は薄利多売が実現してこそ。時短要請もあって先が見通せず、長男の俳優・亮太(47)と相談の上、苦渋の決断に至った。

 「ママの店を閉めるっていうのがね…」。43年連れ添い、一緒に店を切り盛りした妻で女優の和子さんが2016年、多発性骨髄腫のため68歳で亡くなった。「オレの店って言われるけど、違うんだ。ママの店なんだよ。みんなのお目当てはママだったんだ」。愛する人のいない店を亮太と共に4年間守ったが、思い出の場所ももうなくなる。

 店の名物は「寅さんカレー」。高麗ニンジン、ウコン、クコの実など薬膳を煮込み、2か月間熟成させた逸品。「男はつらいよ」のロケで毎回、スタッフやキャストに振る舞い、寅さん役の渥美さんも大好物だった。「『蛾次郎、おいしいからL(大盛り)でくれ』って言ってもらって。お客さんから『レトルトで売ったら?』とも言われたけど、店で出さないと意味がないよ」

 劇中では、柴又に帰ってきた寅次郎を見つけて「あ、兄貴~!」と元気良く駆け寄っていく蛾次郎だが、さすがに元気がなかった。「ママが亡くなってさみしくて…で今回、店もなくなるからね」。写真撮影になり、ようやく少しだけ「源ちゃん」の顔に戻った。「役者稼業は続けていくよ」

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