出典元:スポーツ報知
◇フィギュアスケート 全日本選手権 第2日(26日、長野・ビッグハット)
男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位から出た五輪連覇の羽生結弦(26)=ANA=が、215・83点をマークし、SPとの合計319・26点で、5年ぶり5度目の優勝を果たした。2位は、SP3位から出た18年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=で190・59点、合計284・81点。SP2位から出た17歳の鍵山優真(星槎国際高横浜)はフリー180・19点、合計278・79点で昨年に続き、3位表彰台入りした。
羽生の主な一問一答は次の通り。
―この2日間を振り返って。
「去年はだいぶ悔しかったので、リベンジできてよかった気持ちは少なからずありますけど、何より、うーん、こういう状況の中でコーチ呼ぶのもコーチたちに悪いですし、もしひとりで出来るのであれば、世の中的に自分が胸張って試合に出れるのは、コーチを呼ぶべきじゃないと自分で決断したので、この状況でいい演技できたのは本当によかったなあと。ここまで支えてくれた方々がたくさんいらっしゃるので、その方々に感謝申し上げたいです」
―ひとりで挑む難しさは。
「あのー、例えば前のシーズンに宇野選手が一人でGPを戦った試合もありましたし、やはり難しいんだろうなと感じていました。僕自身もGPファイナルではコーチがちょっとトラブルがあったりして、ショートがうまくいかなかった経験もありました。やはりこれだけ長い期間ひとりでやるというのは、迷いも悩みもすごく増えましたけど、一人でやっているとはいえ、何かしらでつながっているんだなと、一人で練習しているからこそ改めて感じた」
―このプログラムで伝えたいことは。
「自分自身去年のシーズンで全日本のこともありましたし、GPファイナルのこともあったんですけど、なかなか自分が成長してないんじゃないかとか、戦えなくなっているんじゃないか、そういった思いがあったりしていて、戦うのが疲れたなと思ったんですよ、一瞬。辞めることはたぶんいつでもできるし、それを望んでない人も、応援して下さる人はたくさんいると思うんですけど、試合の中で、得られる達成感とか、試合があるからこそ乗り越えることができる苦しみだとかは、そういったものが好きなんだなと改めて思っていた」
「上杉謙信公の話なんですけど、彼の中にある戦いへの考え方だったり、そこには美学とか、犠牲のあることへの葛藤だったり、そういうことから最終的に出家されていると思うんですけど、そういった悟りの境地みたいなところまでいった上杉謙信公の価値観とかとちょっと似ているのかなと思って、そういったものをリンクさせながら滑らせていただきました」