照ノ富士、豪快つり出し“照クレーン” 2度目の大関へ「2桁勝つ」(スポーツ報知)

出典元:スポーツ報知

◆大相撲11月場所10日目 〇照ノ富士(つり出し)翔猿●(17日・両国国技館)

 小結・照ノ富士が優勝争いに1差で食らいついた。平幕の翔猿(とびざる)を怪力でつり出して連敗を止め、勝ち越しを決めた。つり出しは大関時代の2017年春場所以来。2敗を守って突入する終盤戦を前に、両膝を不安視する声には「心配してくれてありがとうございます」と返す余裕もあった。1敗でトップに立つ一人大関・貴景勝、幕尻・志摩ノ海の背中を追う。

 “照クレーン”に、声援自粛のはずの国技館がどよめいた。照ノ富士は、前日に大関撃破で勢いに乗る翔猿との初顔合わせ。立ち合いはもろ差しを許すも動じなかった。「小さい人には動きについて行くだけじゃ負ける。動きを止めて強引に行こうと思っていた」。相手の両腕を外側から抱えてつり上げると、土俵中央で131キロの翔猿が宙に浮いた。1、2、3、4歩。そのまま土俵外へ下ろすと、何事もなかったかのように涼しい顔を見せた。

 つり出しでの白星は、大関で13勝を挙げ、横綱・稀勢の里と優勝決定戦の末に涙をのんだ17年春場所7日目の豪風戦以来=写真下=。好調の裏返しとも言える荒技だ。高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は「根こそぎ持って行った。あんなに持ち上がるんだな」と感嘆。NHK解説の北の富士勝昭氏は「(翔猿は)塩シャケのつり身みたいだね。シャケじゃあるまいし」と苦笑いだった。

 大関から序二段陥落の大きな要因になった両膝は、頑丈に固めたテーピングが痛々しい。つり出しは古傷に大きな負担となるが、取組後のNHKインタビューでは「状態? 心配してくれてありがとうございます」と満面の笑みで不安を一掃した。17場所ぶりに三役に返り咲き、「2桁以上勝ちたい」と2度目の大関昇進への足固めとなる数字を口にし、「ここから3場所が大事。元の位置に戻りたいので」と力を込めた。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は照ノ富士の活躍に「勝ち越し? それは気にしてないでしょう。優勝でしょう」とズバリ。関脇以下で3度の優勝となれば、史上初となる。大関をつかんだ初優勝(15年夏)、奇跡の再入幕で果たした復活V(今年7月)。一度は地獄を味わい、引退も覚悟した照ノ富士にとって勲章とも言える記録だ。不屈の元大関は「一日一番なので、集中して頑張るってそれだけですね」。優勝制度ができた1909年以降、今場所が500場所目。節目の賜杯もつり上げる。(竹内 夏紀)

 ◆2017年春場所 12日目まで無敗の新横綱・稀勢の里を大関・照ノ富士が1敗で追う。稀勢の里は13日目に敗れた際に左胸を負傷し、14日目も黒星。照ノ富士は13、14日目と連勝し逆転。だが、勝てば優勝の千秋楽の本割で稀勢の里との直接対決に敗れ、優勝決定戦へ。最後も小手投げで負け、稀勢の里に賜杯を譲った。

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