正代、謹慎の時津風親方が特別に大関昇進伝達式出席へ/秋場所(サンケイスポーツ)

出典元:サンケイスポーツ

大相撲秋場所千秋楽(27日、両国国技館)関脇正代(28)が新入幕の翔猿(とびざる、28)を突き落とし、13勝2敗で初優勝。大関昇進も事実上、決まった。昇進を預かる日本相撲協会審判部が取組後、昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(57)=元横綱北勝海=に要請して受諾された。これまで、理事会で昇進が見送られた例はない。30日の11月場所(8日初日、国技館)番付編成会議と理事会を経て正式決定する。

【写真】優勝し内閣総理大臣賞を授与された正代

 押し寄せる感情の波を、抑え切れない。引き揚げる東の花道奥。付け人が目を潤ませているのを見た正代は、おえつとともに手にしていた青いタオルで、何度も目頭を覆った。運命の扉を押し開いた男の涙は、性格を表すもらい泣きだった。

 「今までの相撲人生で一番緊張したかもしれない。(立ち合いで)手をつく瞬間までドキドキしていた。心臓の音が自分の中で響くくらい緊張した」

 優勝の可能性を残していた翔猿とは初顔合わせ。立ち合ってすぐに土俵際まで押し込まれた。逆襲して押し返したところをいなされて、もろ差しを許す大ピンチ。俵に足をかけて踏ん張り、突き落としで逆転した。

 初優勝ばかりではない。ワンチャンスで大関昇進もかかる大一番。前夜、寝床に入ったのは午前0時前だったが、無理して眠ろうと目を閉じると「相撲のことが頭をよぎって。緊張して全然寝つけなかった」。最後に携帯電話の時間を確かめると、明け方の午前5時だったという。

 1月の初場所、7月場所ではともに千秋楽まで賜杯を争いながら、一歩及ばなかった。今場所は「優勝争いの経験ができたことが大きかった。15日間、ペースをかえず、気持ちの持っていきかたとか…」と生かした。

 大関昇進では先をこされた貴景勝、朝乃山の両大関も粉砕した。「2人とも年下。世代も離れていない。意識もするし、悔しくないといったらウソになる」と明かす。

 正代の師匠、時津風親方(46)=元幕内時津海=は場所前、不要不急の外出を禁止した協会の新型コロナウイルス対応ガイドラインに違反し、秋場所を謹慎とされた。10月1日の定例理事会で処分される見込みだが、正代の昇進に伴い、30日には使者を迎える昇進伝達式が行われる。関係者によれば、公式行事で慶事であることも考慮し、特別に師匠の出席を認めることになった。

 30キロの賜杯を初めて抱いた正代は「重かった」。「相撲の神様」といわれた大横綱双葉山(のちの時津風親方)が開いた「双葉山相撲道場」を源流とする現在の時津風部屋からの優勝は、昭和38年名古屋場所の大関北葉山(のちの枝川親方)以来57年ぶり。

 枝川親方は生前、双葉山の時津風親方から褒められたことは「土俵人生で3度しかない。1度は優勝のとき。『よくやった』と」。あまり褒めない時津風親方が生きていたら、正代にも同じ言葉をかけてくれるに違いない。(奥村展也)

【広告】

新会社でも作れる

法人ETCカードは

しかもスピード発行




コメントは受け付けていません。