【ラグビー】指揮官が感じた「勝ち切る力」の必要性。2022年の静岡ブルーレヴズ。(ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン))

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出典元:ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

肝心の「出口」が見えなかった。静岡ブルーレヴズの大戸裕矢主将は言った。
 
 5月8日、本拠地のヤマハスタジアム。すでにプレーオフ行きを決めていた東芝ブレイブルーパス東京との対戦だ。

 スクラムで概ね優位に立ち、角度をつけた展開で飛び出す防御をいなす。後半28分までに29-19とし、安全水域に入りかける。

 終盤、じわりと追いつめられる。29-26と、わずか3点リードで後半ロスタイムを迎える。

 ロスタイムは防戦一方。先発司令塔のサム・グリーンが、37分にHOで投入されたばかりの山下憲太が、懸命に刺さる。しかし、大戸はかすかに焦っていた。

「耐えられてはいるのですが、どこで(ボールを)取り返せばいいかというディフェンスの出口が見えなくなっていた気がして…」

 ロスタイムに入ったばかりの42分、NO8のクワッガ・スミスが一時退場処分を受けていたのだ。
 
 南アフリカ代表屈指看板のボールハンターが不在だったとあり、防御の「出口」からはやや遠いように大戸は感じていた。

 25フェーズ目。大戸自らが球へ絡む。しかし、ブレイブルーパス側のスイープで球を活かされた。

 30フェーズ目。相手CTBのジョニー ・ファアウリにインゴールを割られた。29-33。それまでの間に得点機を逸したこともあってか、大戸は潔かった。

「トップ4になるには何かが足りない。それを考えながらオフシーズン過ごしていきたいです」

 リーグワン元年の2022年シーズン。振り返れば、最終節の最終局面のような試合を多く重ねていた。強豪相手に惜敗し続けたのだ。

 実戦で喫した7敗のうち、最終節を含めた5敗が10点差以内だった。

 3月27日に初めて静岡・IAIスタジアム日本平で実施できた第11節では、昨季トップリーグ王者の埼玉パナソニックワイルドナイツに25-26と接近。続く4月23日には、エコパスタジアムで同4強のトヨタヴェルブリッツと15-18と競り合った。

 いずれも、ラスト10分の間に逆転されていた。

 SHの田上稔はこのように言った。

「準備してきたものは出せたと思います。ただ、試合を通して後半の大事なところで勝ち切れない課題を、(最終節まで)克服できなかった。そこで勝ち切ることが、これからトップ4、優勝を目指すには必要です」

 成長も実感できた。

 ブレイブルーパスには、2月5日の第5節で26-59と大敗していた(駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場)。第6節以降で組織防御とゲームプランを見直し、シーズンのクライマックスに至っていたのだ。

 勝った試合はもちろん、惜しかったワイルドナイツ戦、ヴェルブリッツ戦でも、スタイルは貫いた。

 コンセプトは「5 Hearts」。前身のヤマハ発動機ジュビロ時代から看板としてきたスクラムをはじめ、選手が全うすべきプレーの項目を5つに言語化した。2018年度まで5季連続で国内4強入りを果たした歴史を踏まえ、折からの世代交代を推進させつつマイナーチェンジを図っている。

 果たして若手は序盤に経験を積み、シーズン中盤以降は一時離脱していたベテランと首尾よく融合できた。スクラムの最前列では、HOと右PRに長年の主力、日野剛志、伊藤平一郎が、左PRには2020年入部の河田和大が定着。堀川隆延監督は言った。

「選手たちは一戦、一戦、成長してくれた。それを誇りに思いますし、勝たせてあげたい。我々コーチ陣も学んで、本当にトップ4に勝つ力、勝ち切る力をつけて戻ってきたいです」

 12チーム中8位という結果を受け、チームは来季の4強入りへ動き出している。

 昨季の惜敗を来季の白星に変えるため、改善点を整理。放置するほど「さびていく」という基本スキルを磨き続けるのはもちろん、失点を招きやすい自陣22メートル以内に入られないようゲームマネジメントも見直す。いざそのエリアに入り込まれてもピンチをしのぎ切るだけの技術、体力も、向上させる。

 適切な補強もおこなう。

 ベテランの矢富勇毅を若手が追うSH勢には、クルセイダーズの主軸だったブリン・ホールを加える。

 さらに突破役のインサイドCTBには、最終節で決勝トライを決められたファアウリを加入させる。2018年にブレイブルーパスへ加わったファアウリは国内在住歴が長く、日本出身者と同格の「カテゴリーA」で戦える。ブルーレヴズでは、トンガ代表で「カテゴリーC」のヴィリアミ・タヒトゥアとの併用が期待される。

 チームにとってのキーポジションンに名手を並べ、競争力と選手層を高める意図が見え隠れする。

 逆転負けしたゲームでは、「後半20分以降で勝敗が決まっている」と堀川監督。接戦を制するべく、選手交代も活用してプレーの一貫性を保ちたい。

「(新加入選手の多くとは)会ってもいないし、合流していないので現時点で(メンバー構成について)話すのは難しいです」

 新加入選手の起用法については明言を避けるが、再始動前の時点でのイメージなら明かしてくれた。

「外国人枠があるなか、ブリン選手をスタートから出すのか、後半からなのか…。それは、対戦相手にもよると思いますし、自分たちのストラテジーの成長度合いにもよるかもしれません」

 自分たちだけの勝ち方を明確化しているから、課題とその改善方法が可視化しやすい。12月中旬以降の2シーズン目の開幕へ、静かに牙を研ぐ。

(文:向 風見也)

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