出典元:スポーツ報知
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、欧米を中心に感染拡大が続く動物由来のウイルス感染症「サル痘」について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言したことを受け、感染症学が専門の日本医科大学特任教授の北村義浩氏が24日、スポーツ報知の取材に応じ、今回の感染拡大について分析した。
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今回のサル痘は、人から人にうつっている可能性が高い新しいサル痘であるということと、若い世代がどんな状況になるのか予測不可能であるという2つの点で「やばいな」という感覚がある。性質が変わっている以上、未知のウイルスと言ってもいいくらいだ。
天然痘ワクチンの接種(種痘)はサル痘にも非常に効果があり、一生続く免疫を残すとしていて、1976年くらいまでは日本でも接種が行われていた。だが、それ以降に生まれた人は接種しておらず、全く免疫がない。「サル痘は大したことにならないよね」って言ってた時代は実はほとんどの人がワクチンを受けてた時代の話。医学書などに書いてある知識もワクチン接種が前提のもの。全く免疫がない世代が感染するといったい何が起こるのか。未知数だ。
日本にもいずれ来る。これまで感染しているペットの持ち込みがない限りは感染が広がることはなく、対岸の火事だったが、もうアジアでも見つかっている。
ワクチンや薬はあるが、日本で手に入るかは別。数が限られていると思う。日本で感染者が出たことがないので、症状が出てから診断が出るまで時間がかかると、適切な医療が受けられない可能性もある。