出典元:月刊バスケットボール
町田瑠唯が所属するWNBAのワシントン・ミスティクスで、先輩格としてチームをけん引するベテランのアリシャ・クラークは、2020年までシアトル・ストームで活躍しており、2015年から3シーズンに渡ってストームに所属した渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)とチームメイトだった。今回町田がミスティクス入りしたことで、タイプの異なる二人の日本人プレーヤーと一緒にプレーする機会を持つことになった珍しいプレーヤーだ(ストームのスー・バードは渡嘉敷とチームメイトとなり、フェニックス・マーキュリー時代の大神と対戦したことがある)。
WNBAシアトル・ストーム時代の渡嘉敷来夢
クラークにはワシントンD.C.の現地記者からも町田に関する質問が飛ぶことが少なくなく、日本時間6月8日(北米時間7日)の練習後会見でも、言葉の壁をどのように克服してコミュニケーションを取っているかを問いかけられる場面があった。クラークが言うには、町田は文脈を把握している上、チームメイトの多くが海外で言葉の壁を経験済みであることもあり、町田との意思の疎通は楽とのことだ。また、町田の人柄について「ルイはとってもいい子! 一緒にいて気分が良いんですよ(Rui is such a sweet person! Good spirit to be around)」と話していた。
何か町田と渡嘉敷から共通するものを感じるかを尋ねると、クラークは以下のような返答をしてくれた。
「彼女たち二人はどちらもプレーするのを楽しんでいますね。コートに入るのが大きな喜びなんでしょう。どちらもものすごく負けん気が強いし、私はそこがいいと思っていますよ。それにどちらも本当に一緒にいて楽しい人柄です。彼女たちがジムに入ってくるたびに、その場が元気になるようなね。
それが偶然とは思いません。間違いなく日本のバスケットボール文化を映し出すものだと思います。彼女たちとプレーするのは楽しいですし、彼女たちのどちらともプレーする機会を楽しめています」
渡嘉敷と町田を通じてクラークのようなベテランが日本のバスケットボール文化をポジティブに捉えてくれているのはありがたく、また日本から声援を送る立場としては誇らしく思えることではないだろうか。
町田とチームメイトのやり取りに専属通訳の武井 樹氏が大活躍していることももちろん見逃してはいけない(ストームでの渡嘉敷にも、桜花学園時代のチームメイトだった大西ムーアダイアンまどか氏が通訳としてサポートしていた)。クラークも武井氏に通訳を頼むことが多いそうで、「ミッキー(武井氏のニックネーム)の肩の荷を重くしているかも(笑)」とおちゃめな笑顔を見せていた。