【ウインターカップ2021】下級生チームを引っ張った豊浦の3年生たちが残したもの[バスケ](月刊バスケットボール)

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出典元:月刊バスケットボール

“ウインターカップは高校3年生の大会”

 しばしば、そう表現されることがある。本稿では、男子1回戦で小林と対戦した豊浦の3年生にまつわる物語を紹介する。

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 今年の豊浦は小林戦のトップスコアラー#4山本赳勲や、彼の16得点に次ぐ15得点を挙げた#9山本爽太ら、主力のほとんどは下級生たち。3年生は唯一スタメンに入っている#14長谷川幸夫と、#13岡崎優悟(崎は正しくは大が立)、#18首藤謙心の3人のみだ。元々は4人いたという3年生だが、うち一人が受験のため夏で引退。残された3人たちにとっては、引退した仲間の分もコートで思いを表現するーーそんな大会となった。

 試合は豊浦らしい粘り強いバスケットを展開したことで、3Q終了時点で7点差(38-45)と食らい付く。攻めては前述した山本コンビを起点に#12坪井遙生や#18首藤も点を重ねる。しかし、4Qに入ると小林の高さとコンビネーションを前に劣勢に立たされ、徐々に点差が拡大。最後は63-84で敗れてしまった。

 結果は本意ではなかったが、勝敗が決した4Q残り1分34秒には、それまで出番のなかった岡崎がコートイン。最後の瞬間を3年生3人で迎えることができたのは、それぞれにとってすばらしい思い出となったはずだ。#14長谷川は「上級生になってくると後輩に教える立場になります。3年生が4人しかいない中でそこで先輩から教わったことを伝えきれていない分もあって、難しいことも多かったです。でも、人数が少ないからこそ、同期はとても仲が良くてバスケットでもあうんの呼吸というか、何も言わなくても分かる部分がありました」と、同期の存在の大きさを口にする。

 枝折康孝コーチも「今年の3年生は本当におとなしいというか、品がある選手たちなんですけど、最後はチームを鼓舞するような声がコートの中でも聞こえてきたので、そこは3年生が頑張って引っ張ってきたんだなと感じていました。特にインターハイ予選が終わって、ウインターカップまでの3、4か月間の彼らの伸びはすごかったですし、3年生には本当にありがとうと伝えたい」と感謝の言葉を並べた。

 プレー面でいえば、今大会の豊浦は完全な下級生チームだ。それでも、後輩たちにとってはチームの伝統を受け継ぐ先輩たちの背中は偉大なものだったに違いない。

 豊浦の選手たちは毎年、左腕におそろいのアームバンドを着けている。それは代々受け継がれているもので、「豊浦は全員で戦うチームなので、『チーム全員の思いがここにある』という意味でこのアームバンドを着けています。いろいろな先輩方からそういう思いが引き継がれてきて、良い伝統として残っているんです。それが頑張れる理由にもなりましたし、来年以降は1、2年生の頑張る理由にもなると思います」と、#14長谷川。

 大切なのは人数よりも思いの強さだ。今大会の豊浦を引っ張った3年生3人の思いも、間違いなく伝統のアームバンドとともに後輩たちに引き継がれてゆく。#14長谷川は最後に3年間をこう締めくくってくれた。

「先輩方はとても強くて全国大会などのいろいろな舞台に連れていってもらったので、本当に良い経験ができた3年間でした。この大会にも1、2年生がいたからこそ出られたと思いますし、全国大会に出ることだけでも難しい中で、最後に3年生3人で一緒にコートに立てただけでも、すごく良い思い出になりました」

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