【柔道】平成の三四郎の弟子・鈴木伊織 美しい一本で全体会V狙います(東スポWeb)

【アスリート美ューティーTALK】ニッポン柔道は今夏の世界選手権で男女・混合団体を含めて8個の金メダルを獲得した。2020年東京五輪での全階級制覇へ向けて準備を進めるなか、虎視眈々と女子78キロ級代表の座を狙うのが、鈴木伊織(19=環太平洋大)だ。強さと美しさを兼ね備えた女性選手に迫る連載「アスリート 美ューティー TALK」では、“平成の三四郎”古賀稔彦氏(49)の弟子にあたる柔道美女をクローズアップ。重量級では小柄ながら頂点を目指すホープの胸の内は――。

 ――中学は親元(広島)を離れて愛知・大成中に進学

 鈴木:同学年の鍋倉那美(20=三井住友海上)に誘われて一緒に行きました。母がハンドボールの日本代表にも選ばれたことがあるのですが、スパルタ教育で「勝負の世界に入ったならとにかく勝て」と言われていました。親から離れた寮生活にはわくわくしていたし特に心配もなかったけれど、入ってからは先輩からの注意がキツかったりして、帰りたくなる時もありました。それでも、私生活から一人でできるようになって少しずつ自分の柔道が出来上がってきました。

 ――失敗もあった

 鈴木:自分はマイペースでギリギリまで寝てたいタイプ。あと30秒だけと目をつぶったら30分たってたことも(笑い)。それで制服もちゃんと着ないまま慌てて学校に行ったら結局バレて、最長で1か月間、道場に入れませんでした。

 ――そんな厳しい中高生活で大きく成長した

 鈴木:中学1年から、ほぼ同じ力の人と1~2時間ずっと乱取りをやる練習があるんです。それで忍耐力や最後までやる強さ、体力でもなんでも自信がつきました。あとは感謝の気持ちですね。自分が柔道できるのは周りの支援があったからこそ。

 ――岡山の環太平洋大に進学した

 鈴木:同じ階級(女子78キロ級)の(2015年世界選手権優勝の)梅木真美さん(22=ALSOK)や70キロ級でも強い先輩がいて、ここだったら強くなれると思ったし、(矢野)監督の情熱にもひかれました。強い人との練習や試合が面白いし、相手が梅木さんでも勝ちたい、投げたいチャレンジ精神があります。

 ――自身の柔道のアピールポイントは

 鈴木:目立つのが好きなので、きれいな一本を取るのを見てもらいたいです。身長が小さくても、自分より大きな相手に勝てるという柔道の醍醐味を見てほしい。周りからの「こいつでも勝てるんだ」っていう反応が好きなんです。

 ――他の格闘技に興味は

 鈴木:中学時代から至学館大学レスリング部の練習に年に1、2回参加して、吉田沙保里さん(35=至学館大職)とスパーリングをしたこともあります。吉田さんはタックルなしで寝技に持ち込んだり、ほぼ柔道。テレビで見て思ってたより小さくて体格差もあったんですが、組み合ったらすごい力なんです! 簡単に持ち上げられました。

 ――国民栄誉賞受賞者からの“教え”は、柔道にも生かせる経験だ

 鈴木:レスリング部でやっていた、手をつないで輪になってジャンプするトレーニングを学校で紹介しました。懸垂でも上がったら止まり、下がっても止まる、持久力をつけるやり方を学びました。反対に「柔道技を教えて」とも言われましたね。

 ――他競技が刺激になっている

 鈴木:あと、総合格闘技の「RIZIN」で柔道の技を使うKINGレイナ(21)の試合を見ていると「これは使えるかな」とか「そこなんかかけたらいけるんちゃう?」と思います。何でも柔道と結び付けて見ると面白いです。

 ――プライベートではおしゃれ好き

 鈴木:ストリート系が好きで、去年の冬ぐらいにペニースケートボードを買いました。ちょっとした交通手段としても使っています。最近は(タレントの)渡辺直美さん(30)の渋谷のお店にも行きました。面白いのはもちろん、渡辺さんみたいに大柄な方がおしゃれしているのがすごい。

 ――自身の目標は

 鈴木:先のことよりも一戦一戦こつこつと成績を出したいです。まずは目の前の講道館杯(11、12日、千葉ポートアリーナ)で3位以内に入って(12月の)グランドスラム東京に出たいですね。いずれは夢の舞台であるシニアの国際大会に行きたいです。世界選手権や東京五輪は将来の夢。全ての大会でチャンピオンになりたいです!

【古賀氏「投げが得意なところは私に似ている」】環太平洋大学女子柔道部総監督でバルセロナ五輪男子71キロ級金メダリストの古賀氏は、鈴木について「彼女の好きな言葉は、負けん気。まさに負けず嫌いな性格」と評する。技術面では「私と似て背負い投げや袖釣り込み腰などが得意。78キロ級では小柄だが、このような担ぎ技はとても有効」と話し、必殺の背負い投げを武器に頂点に上り詰めた自身の姿に重ね合わせた。一方でトップ選手と戦う機会も増え「ステージが上がり、多少自分の柔道に悩みながら苦労している」と見ているが「自分も同じ苦労をした。ここを乗り越えれば世界を視野に入れた飛躍ができる」と教え子のブレークスルーに期待を込めた。同大女子柔道部の矢野智彦監督(44)も「意地が強く負けん気が強い、牙をむく。誰が相手でも食ってやろうという勢いがあった」と、その精神面を高く評価。“三四郎級”の負けん気の強さと担ぎ技で頂点を目指す。

コメントを残す