稀勢の里、不安1敗…立ち合い3度合わず呼び出し注意/九州場所(サンケイスポーツ)

大相撲九州場所初日(12日、福岡国際センター、観衆=6986)一年納めの場所初日で、3場所連続休場から復帰し、7月の名古屋場所5日目以来122日ぶりの土俵に臨んだ横綱稀勢の里(31)は平幕玉鷲(32)に押し出され、いきなり金星配給の黒星スタートとなった。しかも立ち合いは4度目でようやく成立する乱れもあって、打ち出し後には審判部へ呼び出されて口頭で注意も受けた。自身初の全休明けからの再起。相撲勘を戻しながら、手探りの闘いが始まった。

 合わない。合わせられない。9月の秋場所の全休を含み3場所連続休場明け。稀勢の里の思いがはやる。立ち合い。玉鷲と3度連続して呼吸が合わず、4度目でようやく立ち合った。

 「いい感じでやれたけど、うまくやられた…」

 1度目は稀勢の里が右から張り差し。だが、早すぎて玉鷲が応じられない。2、3度目は遅れまいとする玉鷲が早く突っかけ、稀勢の里が立てなかった。4度目。横綱は再び右の張り差し。得意の左を差して前へ出たが、振りほどかれて押し返された。左をあてがい、武器のおっつけもみせたが、相手のいなしにバランスを崩して腰が定まらない。最後は横向きにされて押し出された。

 花道を引き揚げる際には、右手に持っていたさがりを頭上へ振り上げてたたきつけるように付け人へ渡すそぶりも。八角理事長(元横綱北勝海)は「自分にふがいなかったのだろう。(十分の)左を差す体勢をつくりながら…。今場所は休場明けもあって、試練の場所になる」と予感した。

 秋巡業、場所前の稽古では左上腕部、左大胸筋の負傷からの復調気配を漂わせていたが、いきなり金星を配給。しかも3度の「待った」は審判部の内規によって呼び出しの対象となる。打ち出し後、頭部の手術によって休場した二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)にかわって審判長を務めていた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から同部へ呼ばれた稀勢の里は、口頭で注意を受けた。

 まさに、泣きっ面にハチ。稀勢の里の「待った」による呼び出し注意は平成26年春場所12日目(対白鵬)以来となった。

 正確だったはずの稀勢の里の“体内時計”も微妙に狂っていた。1月の初場所後に横綱へ昇進。本場所での横綱土俵入りはこの日で31度目だったが、通常は1分34秒前後のところ、今回は自己最短の1分22秒で仕上げた。明らかに短めのパフォーマンス。土俵勘のくもりは手慣れた所作にも表れた。

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