16年間ありがとう!阪神・安藤、ラストピッチ万感9球「幸せ者です」(サンケイスポーツ)

(セ・リーグ、阪神6-1中日、25回戦、阪神16勝9敗、10日、甲子園)ありがとう、安藤-。今季限りでの引退を表明した阪神・安藤優也投手(39)が10日、中日戦(甲子園)の八回に現役最終登板。打者2人に9球を投げ、先頭に一発を浴びたが、最後は三ゴロに打ち取った。タテジマ一筋16年、聖地でユニホームを脱ぎ、「幸せ者です」と万感の思いを語った。

 安藤! 安藤!! 16年間苦楽をともにした甲子園のマウンド。わき上がるファンの熱いコールを浴びながら、安藤が現役生活に別れを告げた。

 「あっという間の16年間。身体が弱く、けがが多かった自分が、まさか40の年まで現役でいられるとは夢にも思いませんでした。憧れの甲子園で最後、ユニホームを脱げる私は幸せ者です」

 八回、金本監督が待つマウンドへ。ボールを手渡され、真剣勝負。石川に一発を浴びたが、野本を三ゴロに打ち取ると、笑顔で仲間と握手を交わした。「大した能力もなく、大した選手ではありませんでしたが、自分の力を全て出し切ったと思っています」。

 球団初の3年連続開幕戦勝利など77勝。一度はあきらめたプロの道だった。大分雄城台高で甲子園出場はかなわず。法大では右肩を痛めて4年間で7勝。卒業後は大分銀行に内定していた。

 「(安藤は)本当はプロでやりたいんです」-。当時ダイエー(現ソフトバンク)スカウトとして安藤を追っていた池之上氏(阪神球団本部課長)に、後に夫人となる泉さんが、そう言ったという。「あと3、4キロ球速が上がれば、プロでやれる」と池之上氏。あと少し。その言葉が安藤を再び、奮い立たせた。

 法大時代の経験も「プロに入ってからすごく生きた」という。「(肩痛で)5割くらいの力だから狙ったところに投げられた。その時期に感覚をつかんだ」。あとは感覚を染みこませる徹底的な投げ込みと肉体強化。プロ入り後は「変化を恐れずに進化し続けよう」と毎年のように挑戦を続けた。ダイエットは「大失敗だった」と苦笑いも、美しいフォームと抜群の制球力は、向上心と練習量の結晶だった。

 2軍が続いた今季。防御率0点台ながら1軍から声はかからなかった。迎えた8月。もう上がれないのか…。そう感じながら登板した9日のウエスタン・広島戦(鳴尾浜)で1回3失点。「アカンね。締め直さないと。やっぱり気持ちって大きいな」。1球1球に魂を込めてきたからこそ、改めて気持ちの大事さを思い知った。

 この日は「自分の気持ちのこもったボールを投げようと思った」と胸を張ると「やっぱり打たれると悔しい」と、すがすがしい表情だった。

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