【トレセンHuman】普天間正英調教助手、テッコンと「いずれは大きいところを!」(サンケイスポーツ)

出典元:昨夏のラジオN賞で重賞初Vを飾ったメイショウテッコン(鞍上は松山騎手)。笑顔の普天間助手は“メイショウ”の勝負服と同じデザインのネクタイを締めていた

2019年の新年を迎え、競走馬に携わる“ヒト”に焦点を当てた新企画「トレセンHuman」がスタート。第1回は今週末の日経新春杯にメイショウテッコン(栗・高橋忠、牡4)を送り出す普天間正英調教助手(35)が登場。高橋調教師親子、そして“メイショウ”の松本好雄オーナー(81)との縁に感謝しながら、重賞2勝目へ愛馬を送り出す。

 日経新春杯に出走するメイショウテッコンを、普天間助手は愛情を込めて“テッチン”と呼ぶ。

 「右目の上に毛玉みたいのがあってかわいいんですよ。人が好きで、厩舎で掃除していたらついてくるし、匂いを嗅いで寄ってきたりもします」

 担当するようになったのは、一昨年の暮れ。その後、トントンと勝ち上がり、夏にはGIII・ラジオN賞で重賞制覇。「(当初から)雰囲気があったし、走る馬特有のオーラを感じましたね」と目を細める。

 大阪・池田市で競馬サークルとは無縁の家庭で育った。動物園や水族館が大好きで「動物関係の仕事に就きたい」という願いを抱いていた。そんな高校時代に、専門学校の体験入学で乗馬を初体験。「触っていておもしろいと思ったし、自然となじみました」と一気にとりこになった。専門学校で2年勉強し、滋賀県・信楽牧場での勤務を経てJRA競馬学校に入学。2009年8月、トレセン生活を始めたのが、現在所属する高橋義忠調教師の父、高橋成忠元調教師のもとだった。

 大切にしているものがある。青地に桃襷、桃袖でおなじみの『メイショウ』の勝負服と同じ配色のネクタイ。先代の成忠厩舎のスターホースで、08年有馬記念を最後に引退した日本ダービー馬メイショウサムソンの担当、中田征男厩務員から譲り受けたものだ。

 「縁起物ですね。素晴らしいオーナーですし、メイショウの馬には特別な気持ちがあります」

 冠名『メイショウ』の馬主、松本好雄オーナーとの縁を感じずにはいられない。09年、初めて担当したメイショウシオギリが阪神の500万下を10番人気でV。メイショウスザンナで12年桜花賞(5着)も経験し、15年にはクイーンSで重賞初制覇も味わった。11年2月に成忠厩舎が定年解散し、翌月に開業した義忠厩舎へ。テッコンとの出会いも自然な流れだった。

 「状態は悪くなかったけどイレ込みがきつく、展開もハマらなかった」菊花賞14着後は、リフレッシュ休養。ここを始動戦に定め、昨年12月に帰厩して態勢を整えた。

 「キコウ(首と背中の間の盛り上がった部分)が抜けて(はっきり目立つようになり)、大人の体になりました」

 ブラストワンピースにアーモンドアイ、ルヴァンスレーヴなど昨年から古馬混合重賞で大暴れしてきた明け4歳世代。「この世代は強いですが(ライバルに)劣っているとは思いません」。ラジオN賞では、後の菊花賞馬フィエールマンを抑えて押し切り勝ち。先行して、しぶとさを発揮するのが持ち味だ。

 「(京都の3~4コーナーの)坂の下りを利用した方が脚質的にも勢いがつくし、自分のリズムに持ち込めば止まらない。“いずれは大きいところを”と思っています。勝ってくれればうれしいですが、次につながる競馬をして欲しい」

 いざ、重賞2勝目へ。絆の証しを首もとにギュッと締め、温かいまなざしで“テッチン”を晴れ舞台へ送り出す。 (渡部陽之助)

■普天間正英(ふてんま・まさひで)

 1983(昭和58)年6月24日生まれ、35歳。大阪府出身。栗東・高橋義忠厩舎の調教助手。GIII・クイーンS勝ち馬メイショウスザンナなどを担当。

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