【大相撲秋場所】白星スタートの稀勢の里に無視できない“負のデータ”(東スポWeb)

出典元:勢を寄り切った稀勢の里

和製横綱の「試練の場所」が幕を開けた。大相撲秋場所初日(9日、東京・両国国技館)、8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が幕内勢(31=伊勢ノ海)を寄り切って白星発進した。自ら進退をかけて臨む場所で無難な滑り出しを見せる一方で、大事な序盤戦を乗り切る上で無視できない“負のデータ”も…。2日目以降も、気の抜けない戦いが続くことになりそうだ。

 稀勢の里が進退のかかる場所で白星スタートを切った。立ち合いから力強く踏み込んで左を差すと、そのまま一気に前へ出て勢を寄り切った。取組後は「集中してやりました。今日は今日、明日は明日。やることをしっかりやって、自分の力を出すだけ」と言って表情を引き締めた。

 ここまで8場所連続で休場し、直近の3場所は全休。4場所ぶりとなる本場所の土俵で、無難な滑り出しとなった。日本相撲協会の八角理事長(55=元横綱北勝海)は「内容より、初日に勝つことが大事。勝てば気持ちが楽になる」と話す一方で「まだ先は長い。本人は安心していないだろう」と和製横綱の心境を代弁した。この日の勢とは、過去に15勝1敗。審判部副部長の藤島親方(46=元大関武双山)が「小細工する力士ではないから比較的やりやすい相手」と話したように、本来の力関係ならば勝って当たり前の相手だ。

 和製横綱にとって本当の試練はここから。大事な序盤戦を乗り切る上で無視できない“負のデータ”もある。昨年3月場所で左胸と左上腕を痛めて以降、稀勢の里が出場した4場所は、いずれも序盤戦の5日目までに2敗以上を喫している。大関時代も通算31場所で序盤戦の黒星は26度あり、そのうち2敗以上が9回。負傷する以前から、前半での取りこぼしが多い傾向が浮かび上がる。

 二所ノ関一門の尾車親方(61=元大関琴風)も場所前から「序盤戦だろうな。序盤にしくじると気持ちがなえてしまう。何とか4勝1敗くらいでいってくれれば」と15日間を乗り切るためのポイントに挙げていた。場所の終盤戦に入れば苦戦が予想される横綱大関戦が控えるだけに、格下への取りこぼしは避けたいところ。まずは5日目までに4勝。これを当面の目標に、気の抜けない戦いが続くことになる。

 初日の横綱土俵入りでは3横綱の最後に登場。満員札止めとなった館内の客席から一番大きな声援を受けるなど、和製横綱に対する期待の大きさは変わらない。今場所こそは、ファンを裏切らない結果を残すことができるのか。

コメントは受け付けていません。