【新潟2歳S・後記】ケイデンスコール 3戦全て最速上がりでもクラシック級と断定できない理由(東スポWeb)

出典元:上位3頭同タイムの激戦はケイデンスコール(手前)に軍配が上がった

厚い雲に覆われた日曜(26日)の新潟競馬場で行われたGIII新潟2歳S(芝外1600メートル)は、1番人気に支持されたケイデンスコール(牡・安田隆)が優勝した。父は第1世代から牝馬2冠馬アーモンドアイを出したロードカナロア。第2世代もクラシックを席巻するのか、それとも…。レースを検証するとともに同馬の今後の可能性を探る。

 好発したエルモンストロが果敢に飛ばす。4コーナーでは2番手以下を5馬身ほど離したが、一気に後続馬が差を詰め、直線の途中からは6頭が横一線に並んでの追い合戦。もっとも、大外に持ち出したケイデンスコールの勢いが違う。最後は一旦先頭に立ったアンブロークンをクビ差でかわしてVゴールを決めた。

「スタートは少しゆっくりめでしたけど、雨の影響で外が伸び始めていたし、切れることも分かっていましたから。慌てないで運びました」と石橋。向正面では激しく行きたがっていたアンブロークンとは対照的に、ピタリと折り合っていたあたりはさすがの腕達者だ。

「直線では自然と外へ。いいギアチェンジをしてくれましたね。まだ体に緩さの残る状況でこれだけの脚を使えるのだから今後が楽しみですよ」と手放しで褒めちぎった。

 これで2→1→1着。しかも、3戦すべてでメンバー最速の上がりをマーク。一応はスキのない成績だが、今回は全力疾走とは言い難い2着アンブロークンを上がりで0秒1上回った程度。さらには、近年最遅の走破時計1分35秒5から“クラシック級”とは断定できまい。多少は時計を要する馬場だったにせよ、1つ前の10R朱鷺S(3歳上オープン)が7ハロン=1分19秒7と良馬場に近い数字。それを踏まえれば、いかにも平凡な時計だ。

 それもそのはず。札幌でワールドオールスタージョッキーズが開催されるようになった2015年以降、13年1着ハープスター、2着イスラボニータのようなスターホースは出ていない。当地新潟に一流ジョッキーが不在なら、一流馬の参戦も当然難しい。とりわけ今年は異例とも言えるフルゲート割れの11頭。メンバーレベルに疑問符が生じるのも無理のない話だ。2歳戦の質を高めたいのであれば開催週の変更が必要かもしれない。

 今後はノーザンファームしがらきに放牧へ出される同馬。まだ筋肉がつき切っておらず、石橋の証言からも伸びシロは多分にあるに違いない。とにもかくにも、酷暑の中でのハイレベル戦ほど心身にダメージは残りやすい。それが2歳の若駒ならばなおさらだ。今年はメンバー、内容ともに低調ながら、ケイデンスコールの将来を考えれば逆に良かったという見方もできる。いずれにせよ、同馬の今後の成長、そして活躍を切に願うばかりである。

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