小平『銀』!金お預けも歴史的「2・14」日本史上最多の1日4メダル/スピード(サンケイスポーツ)

平昌五輪第6日(14日、江陵オーバル)空前のメダルラッシュ!! 世界記録保持者の小平奈緒(31)=相沢病院=が1分13秒82で銀メダル、高木美帆(23)=日体大助手=が1分13秒98で銅メダルを獲得した。スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢(あゆむ、19)=木下グループ、ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルの渡部暁斗(29)=北野建設=はともに2大会連続の銀メダル。日本勢は1972年札幌、98年長野大会、今大会第4日を超える冬季五輪史上最多の一日4個のメダルを手にした。

 ニッポンの主将がメダルラッシュの大トリを飾った。必死の形相で最終コーナーを進んだ小平は表彰台の頂点に0秒26届かなかった。出し切ったからこそ表情は晴れた。

 「後悔はない。自分のスケートが金メダルではなかった。まだスケーティングが下手なのかな」

 3つ前の組で王国オランダのヨリン・テルモルス(28)が五輪新記録を出したのを見て、出だしのカーブに入る角度などから不利とされるアウトスタートに立った。序盤200メートルで加速を生み出しきれなかった。

 14年ソチ五輪。500メートル5位に1000メートル13位と、表彰台に届かなかった。失意から2カ月後、ソチで36個中23個のメダルを獲得したオランダへと単身留学に向かった。

 ポケットサイズのノートを持ち歩き、単語を聞き取ってはペンを走らせた。3度耳にしたら覚えると決めた。仲間と食卓を囲めば手元でノートを広げ、5冊の“単語帳”ができた。

 約2年、トップ選手が集う環境でもまれた。肩をつり上げ、股関節を落とした重心の低いフォームを磨く。空気抵抗は減り、失速を防ぐ効率の良い滑りは、背中を丸めて相手を威嚇する「怒った猫」に似た姿勢。それを意味する「BOZE KAT(ボーズカット)」が愛称になった。

 王国の大エース、イレイン・ブスト(31)の練習パートナーについた。「体が大きなオランダ人と同じことをしても勝てない」。同時に「日本のいいところって何だろう」と母国の強みを考えた。

 16年春に帰国。着手したのは古武術による強化だった。理論派の結城匡啓(まさひろ)コーチ(52)の助言を受け、手にした1本歯のげた。オーダーメードで取り寄せ「体重が足裏にかかる感覚が変わった。スケートに生かせると思った」。オランダと日本の技術を融合させた滑りを追求してきた。

 「よく『オランダに行って強くなった』といわれるけど、私たちの中では『オランダに行って帰ってきたから強くなった』」と結城コーチ。円熟味の増した31歳の求道者が、3度目の五輪で個人初メダルをつかみ取った。

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